パリ首都圏(イル・ド・フランス地域圏)の病院が逼迫し、土・日(3月14日、15日)と3人ずつ、患者が他地方へとヘリコプター搬送された。14日晩、蘇生室に入院中のコロナ患者はフランス全土で4100人にのぼった。そのうちの1134人がパリ首都圏に集中している。
アタル政府報道官によると、今日(15日)からは、1日6人のペースで空路、週末にはTGVによる搬送を始め、来週は計100人ほどの患者が陸路でペイ・ド・ラ・ロワール、ヌーヴェル・アキテーヌ、オキシタニーなどの地域圏へと患者が搬送される見込み。それでも首都圏で蘇生ベッドが不足し、移送先も逼迫する可能性がある。
カステックス首相は「ロックダウンが必要な場合は実施する」としているが、他に講じる手段がなくなった場合の切り札にする方針で、当面の課題は予防接種の拡大。今まで500万人が接種を受け(うち2200万人が2回接種)、4月半ばまでに1000万人にワクチン接種を行うことが目標だ。今日3月15日からは、薬局での接種も可能になった。
アストラゼネカ社製ワクチンの納品が遅れていたり、同社ワクチンを複数の国が停止したことなどから医療関係者の間でも接種を躊躇する人も少なくないなど、まだワクチンを問題視する傾向もある中、先週、ジョンソン・アンド・ジョンソン社製のワクチンが欧州で認可された。4月半ばに届けば、接種を加速できることになる。
《3月14日の状況 全国》
新規感染者数 : 26343人
新型コロナウイルス患者の入院者数 : 24989人
蘇生室 : 4127人(この日、蘇生室に入ったのは57人)
感染症が始まってからの死者数 : 90429人(この日の死亡者数は140人)