欧州委員会は3月17日、欧州27ヵ国の住民が加盟国間を往来する際の、QRコードを使った「グリーンパス」(名称仮 /Digital green certicicate)の構想を明らかにした。交通手段が何であれ国境で提示するもので、スマートフォンを持たない人は紙面で携行する。
パスは、ワクチン接種を受けたこと(ワクチンの接種日とタイプ)/コロナを患った人は回復したこと/テストで陰性だったことなどのうち、どれかを証明する。ワクチンを受けた人のみの往来を可能にする通称「ワクチン・パスポート」は接種が進んでいないため、陰性証明や、回復したことを証明するパスの構想となった。
観光への依存度が高いギリシャやスペインなどは早くから導入を望み、フランスやドイツは二の足を踏んでいる。これから法的な枠組みを決め、3月末の欧州議会、理事会で加盟国の承認が得られれば、6月には導入の見通し。欧州医薬品庁は、接種されたワクチンが欧州で認可されているもの(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソン)であることが原則だが、ブルガリアのように中国製Sinopharm やロシア製 Spoutnik Vを選んだ国もあるため、それも許可されるとした。陰性テストのように、偽造品が出回らないよう安全性を高めることも課題だ。