マクロン大統領はきょう、エドゥワール・フィリップ氏(共和党、46歳)を首相に任命した。
右派の最大政党・共和党からフィリップ氏を引き抜いて首相に据えた人選により、今後、共和党からマクロンの政党「前進する共和国REM」に鞍替えする政治家が続出することが見込まれる。社会党からは、すでに多くがマクロン陣営へと移っている。マクロンの、社会党・共和党「ぶっつぶし」計画の大きなステップだ。
フィリップ氏は、ルーアン出身。2010年からル・アーヴル市長を勤め、セーヌ・マリティム県第7選挙区の国民議会議員を兼任してきた。パリ政治学院Science-Po、フランス行政学院ENA卒で、1997年国務院入り。当時は社会党ミシェル・ロカールを支持していたが、後に右派へと転向し、2007年アラン・ジュペ環境省入り。今回の大統領選の右派予備選ではジュペの報道官を務めるなど、ジュペ寄りの人物として知られる。
両親は、フランス語の教師。父親がドイツ、ボンのリセ・フランセのディレクターとして赴任したため、バカロレアをボンで受ける。幼少期は本好き、成績がよく、ケンカしない子どもだったが「父が亡くなった時に、何かを叩く必要を感じ」憧れていたボクシングを始めた。今でも毎週3回、ボクシングの練習をするという。「パンチを食らうこともあるが、食わせることもある。謙虚にさせてくれるスポーツ」と、モハメド・アリの写真が額に入った市長執務室で、ニュースチャンネルLCIのインタビューに答えている。
新しく就任するフィリップ首相は、今晩20Hのニュースに出演。 マクロン新大統領は、午後は初の外遊先ベルリンに赴き、メルケル首相と会談する。(集)