Truite au court-bouillon
養殖のマスは、年中魚屋で手に入るし、1尾が1人分の大きさというのも便利だし、値段もキロ10ユーロ前後と手ごろだし、そのうえ、川魚なりのくせというか、味わいが残っているのがうれしい。
マス料理の定番といえば、丸ごとムニエルにしてから軽く炒ったアーモンドの薄切りを散らしたtruite aux amandesだが、今回は、クール・ブイヨンで煮てから冷菜として味わうことにしよう。
マスは人数分買ってくる。はらわたはとってあるのが一般的だが、そのはらわたのあったところを水洗いし、キッチンペーパーでよくぬぐっておく。丸ごとでは手持ちの鍋に収まらないようなら、頭を切り落とし、尾びれも短めになるように切るといい。ついでに背びれや胸びれもはさみで切っておく。これで下準備は終了。魚の表面のヌルヌルなどは気にしません。
次はクール・ブイヨン作り。なるべく底が広い鍋にまず白ワインを入れて中火にかけ、しばらく沸騰させたら、水を800ccほど加える。セロリ入りのブーケ・ガルニ、薄切りにしたニンジン、せん切りにしたショウガを入れ、ワインビネガーを注ぎ、軽く塩、コショウ。再沸騰してきたら弱火にし、コトコトと20分くらい火を通す。クール・ブイヨンが冷めたところで、ブーケ・ガルニ、ニンジン、ショウガをとり出し、マスを重ならないように並べる。クール・ブイヨンが足りなくて魚全体がかぶらないようなら、水を足す。中火にかけ、再沸騰してきたら弱火に落とし、ふたをして15分ほど煮て火から下ろし、15分ほど冷ます。網じゃくしなどで慎重にマスをとり出し、ペティナイフで皮をはがし、大皿に盛りつける。
これだけ心をこめた料理なんだから、マヨネーズは、ビネガーのかわりにレモンのしぼり汁を使った自家製にし、コショウも多めに挽き入れる。トマト、ゆでたジャガイモやサヤインゲン、輪切りのレモンをマスの周りにおき、ケッパーやみじんに切った玉ネギを添えれば初夏のごちそう。ワインはアルザスの白がいいだろう。(真)
4人分:養殖マス4尾
クール・ブイヨン:白ワイン300cc、水800cc、ブーケ・ガルニ (長ネギ+パセリ+タイム+ローリエ+セロリ)、ニンジン1本、ショウガ適量、ビネガー100cc、塩、コショウ