Picasso et les avant-gardes arabes
北仏トゥルコワンのアラブ世界研究所で、アラブ世界の美術家へのピカソの影響とピカソへのアラブ世界の影響を紹介するという、野心的な展覧会が開催されている。20世紀前半、アラブ世界の芸術家たちは、植民地主義的な視点が強かった「オリエンタリズム」を拒否し、独自の新しい芸術を作ろうとしていた。彼らが前衛の師と見なしたのがピカソだった。ピカソの造形とモチーフの影響を受けた画家は多い。エジプト人、エゼキエル・バルーフはピカソの作風を取り入れ、体の動きで喜びを表す「水浴する女」を描いた。
ピカソの「ゲルニカ」は独裁者の戦争への抵抗のシンボルとして、後の芸術家たちに影響を与え続けている。90年代、シリアの画家アルワニ・ホザイマは、ゲルニカのなかの登場人物を踏襲し、82年にシリア政府が国民2万人を虐殺した「ハマー虐殺」を描いた。
イスラム美術のピカソへの影響は、多くの学者や作家が言及している。「ピカソは意識しなかったイスラム教徒だ」という人がいるほどだ。イスラム教徒が800年間にわたって支配したアンダルシアで生まれ育ったピカソに、イスラム文化の跡が見えることは想像に難くない。会場ではシリアの絵皿やピカソ作品を並べて展示し、モチーフの相似性を見せている。(羽)
7月10日まで
Institut du Monde Arabe (IMA) Tourcoing
9 rue Gabriel Péri 59200 Tourcoing
▶︎パリからの行き方
パリ北駅からTGVで2時間弱
Tourcoing駅から徒歩18分、地下鉄、トラムウェイあり
Institut du Monde Arabe (IMA) Tourcoing
Adresse : 9 rue Gabriel Péri, 59200 Tourcoing , FranceTEL : 03 28 35 04 00
アクセス : メトロ : Colbert / トラム : Tourcoing centre
URL : www.ima-tourcoing.fr
入館料6€/4€ 火-金 13h-18h (金 -20h) 土日 10h-18h