ポワンシュヴァルさん、ヒヨコ孵化に成功。
3月29日からニワトリのタマゴを温めていたアーティストが、そのタマゴを孵化させることに成功した。パリの近代アート展示場〈パレ・ド・トーキョー〉で行われていた『Oeuf タマゴ』パフォーマンスで、アブラアム・ポワンシュヴァルさん(44)は、37℃に保たれた透明のケース内に篭り、来館者の目に自分をさらしながら3週間にわたってタマゴを温め続けた。その様子は常にライブ映像で流された。
肉体的、精神的な限界に挑戦するパフォーマンスで有名なポワンシュヴァルさんは、2月から3月にかけて、12トンの岩のなかに篭り、不動のまま8日間を過ごす『Pierre 石』と題したパフォーマンスで話題になった。それ以前も、大きな透明のボトルのなかに入ってローヌ川を南仏カマルグからジュネーブまで上ったり、パリのリヨン駅前で、高さ20メートルの竿の上に設置された一畳ほどの板の上で5日間過ごしたりしてきたが、生きた動物を相手にしてのパフォーマンスは初めてだという。今回の『タマゴ』にはオランド大統領も見学に訪れた。
生まれた10羽のヒヨコたちは、72時間をケースのなかでポワンシュヴァルさんと過ごしてから、ポワンシュヴァルさんの父親に引き取られ、ノルマンディーの農家で育てられるという。(集)