Q:でも珍しいですね、オーヴェルニュの文化にどっぷり浸かっている人に出会ってしまった。
松根:そうですね、お姉さんも不景気だ、と言いながらやっぱりカフェの経営は止めないし、今となっては働かなくてもいいんじゃないの?と思うんですけれど、働くのが好きなんでしょうね。うちも頼めばいろいろ助けてはもらえると思うんですけれど、それが嫌なんでしょうね、レイモンにとっては。頼りたくない。子どもを預かるにしても。
Q:他人の方がいい、と。それは私も賛成です。
松根:そういう具合でずーっときています。
Q:ちなみにオーヴェルニュのどこですか?
松根:Cantalカンタルです。カンタルのチーズに牛乳を卸してきた家です。
Q:カンタルだったら、オーブラック(Aubrac)の牛も近いし、美味しいものがたくさんある土地じゃないですか。
松根:美味しいものはたくさんありますね。しかも住所もないようなど田舎で美味しいものに出会えたりします。そういうところに行くと「そうか、私たちが来るから肉を用意してくれるんだ」ということです。こういうところがまだあるのはいいですね。
Q:ご自身の料理と(レイモンさんの出身地である)オーヴェルニュというのは関係があると思いますか?
松根:お姉さんから料理を教わっていた時にAligotアリゴ(ジャガイモがベースでチーズとバター、クリームと練り合わせる料理)にしても最初はあまりわからなくて、最近ようやくコツがつかめてきた、という感じです。私にしてもしっかり教わったわけではなく、どちらかというと一緒にやりながら、自分で探求しながら、という独学です。そのほかは、一緒に店で仕事をする料理人たちが別の土地から学んできたものを教わる(笑)、という感じですか。私でもできるレシピを教えて!という感じでお皿のレシピを編み出してもいます。未だに「こうやるとこうなるんだ」ということもあったりして。
Q:えー、そうですか?
松根:未だに自由気ままに、ということですか。料理にもやっぱり流行りがあるじゃないですか。あまり気にはしていません、というか結局は自分(の料理)でしかないので。
Q:それでもご自身の中で美味しいものの基準はありますよね?
松根:それはもちろんです。料理ってすればするほど、各人の味覚はあるし、家にいる3人の子供も三人三様というか、そういう意味で幅は広くなっていきますよね。
L’Auberge Café
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