Empanada
隣人の家に招かれたら、アペリチフ用にとリュセットさんが、大きな皿に山盛りの、ちょっと大きめの餃子といった感じのエンパナーダを出してくれた。
「スペイン人だった祖母が、いつも作ってくれたものです。こっちはチョリソ、こっちはホウレンソウ入りよ」。冷蔵庫に残っている調理済みの鶏肉でも魚でも、なんでもいいということだが、今回は、チョリソとエビ入りの2種類を作ってみよう。
時間がなかったら市販のパイ皮でもいいけれど、バターをたっぷり入れた自家製のうまさには負ける。そこでパイ皮pâte briséeを作るのだが(825号参照)、多めに作って(小麦粉300g、バター150g、水大さじ5、6杯)、2時間寝かせておく。
チョリソは、あまり辛くないものdoux、それも柔らかめを選びたい。まず皮をむき、包みやすいように、縦に半分に切り分けてから薄く切る。エビは、頭と殻をとってむき身にする。フライパンにオリーブ油をとり、みじん切りにしておいた玉ネギとニンニクをしばらく炒め、エビを加える。色がピンク色になったら、塩、コショウ、パプリカ粉とトウガラシ粉を振って、火から下ろす。ここでみじんに切っておいたコリアンダーあるいはバジリコの葉を多めに混ぜ入れる。
小麦粉を一面に振ってから、パイ皮のかたまりを置き、4ミリくらいの厚さに伸ばし、直径8センチくらいのグラスなどを使って丸く型抜きする。手のひらで少し広げたら、それぞれの具を真ん中に置いて、二つにたたみ、フォークで縁を押さえつける。これを天板に敷いたクッキングシートの上に並べていく。20個くらいできるはずだ。その表面に、よく割りほぐして水を少々加えた卵黄を刷毛で塗り、天板ごと180度になっているオーブンに入れ、きれいな焼き色がついたらでき上がり。
ぼくは、搾ったライムにタバスコ少々を加えたソースを添えることにしている。(真)
20個分:チョリソ100g/エビ(頭付き)400g、玉ネギ半個、ニンニク2片、パプリカ小さじ1杯、トウガラシ粉適量、コリアンダーかバジリコの葉適量、パイ生地、塩、コショウ。