2013年に奥様と店をオープンするやいなや、若く優秀な人材を発掘することで知られる「ゴー・ミヨー」に評された、今話題のシェフがいると聞いて足を向けた。
ざわめきのない空間に、若いオーナー夫婦の笑顔が温かさをもたらす、そんな落ち着いた店。ここでは、ひとりご飯ものんびりくつろげるのが魅力だ。
メニューを見ると、お造り、天麩羅、豚のひれかつ、牛フィレ、地鶏、サーモンなど、それぞれの御膳が18〜24€。夜のみのコースが5品からなる42€と、8品からなる75€。昼・夜ともにア・ラ・カルトもある。 魅力的なメニューを前に悩んだ末、店の看板料理となる「特製松花堂弁当(29€)」を注文。その前に「日本の方に大人気の揚げ出し豆腐(11€)をどうぞ」と薦められ、いただくことに。椎茸のきいた醤油だしに浸かった豆腐は、口の中で溶けるまろやかさ。パリでも質の高さに定評あるKiokoのBio豆腐がご贔屓とのこと。
松花堂弁当はお膳箱に6品+お味噌汁とごま風味のニンジンサラダ、さらにうどんかデザートが付くといった気前の良さ。ア・ラ・カルトのご自慢料理を少しずついただけるこのお弁当は確かにすごい!「カニと大根の土佐酢ゼリー和え」はこの土佐酢ゼリーが決め手!カニの身を薄くカットした大根で包むといった手のかかりよう。「サーモンのたたきサラダ」は肉厚のサーモンを味噌&ワサビで合える。絶妙なコンビネゾンは感動もの!
「茄子の田楽」は味噌のまろやかさは病み付きになる美味しさ。味噌のありがたさを再確認する逸品だ。そして「豚のひれかつ」に「お造り」「天婦羅」。そのうえ、私はデザートではなく「うどん」をセレクト。ゆず風味の薄口スープは細麺に合う。あ〜、贅沢なランチ。しかもコストパフォーマンスの高さに大満足。
オーナー・シェフの ザン(ZHANG) さんは、パリにあるVIPご用達の和食屋として名を馳せたレストラン「櫂(かい)」で6年修行したとのこと。ザンさんの人間性、繊細で丁寧な料理、質の高い素材に拘るといったところのルーツが少し見えた気がした。「仕事が丁寧で、きちんとした日本食を作る中国人シェフ」という噂はたちまち食通の間では広まっているらしい。常連になって自慢したいようないい店だ。(横)
Yoshi
Adresse : 11 rue Jean Giraudoux , 75016 PARIS , FRANCETEL : 01 4720 4894
アクセス : George V、Kléber
12:00〜14:30、19:00〜22:30 日曜の昼のみ休業 日本語メニューあり