ブラームスはチェロという楽器をこよなく愛していた。2曲のチェロソナタはもちろん、ピアノ協奏曲第2番のアンダンテ冒頭でのチェロのソロ…。
ブラームス自身の肉声に近かったのか、チェロを通してパッションがほとばしり、沈んだ憂愁の歌が流れる。それでいながら、なぜかチェロ協奏曲を1曲も書かなかったのだが、幸いにヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲という、有名なヴァイオリン協奏曲をしのぐほどの絶品がある。
まだ知らない人は、絶頂期にあったヴァイオリンのオイストラフとチェロのロストロポーヴィチが共演している下のビデオがおすすめだ。彼らの息の合った名人芸により、ときには信じられないような緊張感、ときには大きな弓の動きから生まれる朗々とした抒情…。
ブラームスならではのロマンティシズムに満ちたこの名曲を、現代を代表するクリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)とターニャ・テツラフ (チェロ)の兄妹がどんなふうに演奏してくれるのか、興味しんしんのコンサートだ。オーケストラはパリ室内管弦楽団で、指揮はフィリップ・フォン・シュタインネッカー。ほかに 『ハイドンの主題による変奏曲』(真)
5月12日20h。5~55€。
Théâtre des Champs-Elysées
Adresse : 15 av.Montaigne, 75008 ParisTEL : 01.4952.5050
アクセス : M° Alma Marceau
URL : https://www.theatrechampselysees.fr