連載コラム

よむたび。〈28〉ヨーロッパ〜アフリカ〜カリブ海

『怒りの岸辺(仮題)』 Rivage de la Colère キャロリーヌ・ローラン著 Les Escales刊 2020年 チャゴス諸島の密約。 「今から一時間の猶予を与える。すぐに荷物をまとめてここから出て行きなさい。ただし理由は教えない」。ある日、自分の家にいきなり来た見 [...]

Tonnellerie Rousseauのワイン樽

 ワイン樽から少量のワインを抜いて試飲する光景。これは実際に体験しなくとも、フランス人の頭にすり込まれた原風景と言ってもいいかもしれない。ステンレスタンクが主流となった今でも、あるレベル以上のワイン(大体15〜20€以上)は木製の樽で発酵・醸成される。その樽造りを見るため、高級ブ [...]

ルソーの静かな食卓 〈13〉

何においても「節制」を美徳とする哲学者ルソーだけれど、何も、日常の小さな悦びを否定しているわけではない。ごく若い時から、甘いものとワインは暮らしの中のささやかな慰めだった。『告白』(1770年)に、こんなくだりがある。「いったん大事な菓子パンを手に入れ、部屋にとじこもり、戸棚の奥 [...]

マダム・キミのシルバーラウンジ:今泉幸子さん

長年、世界の映画祭レポートを、パリから発信し続けた今泉幸子さん(85歳)。戦前、3歳の時から無声映画に親しむ。早稲田大学で演劇専攻、TBS演出部AD。学研映画局に入社し、社会教育映画、PR映画の企画・製作を経てフリージャーナリストに。冷戦期のソ連・東欧に渡り、写真入りのルポルター [...]

よむたび。〈27〉ヨーロッパ〜アフリカ〜カリブ海

『ナイルの聖母マリア(仮題)』 Notre-Dame du Nil スコラスティック・ムカソンガ著 Gallimard刊 2012年 ルワンダ、エリート養成高校。  ルワンダの作家スコラスティック・ムカソンガについては過去にも一度紹介したけれど(N°870参照)、彼女がルノドー賞 [...]

マダム・キミのシルバーラウンジ:千春さん

田中千春さん(78)は3人兄弟姉妹の一人。高校時代に読んだモリエールの戯曲やマルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』に感動し、早稲田大学仏文科に入る。在学中から文学座附属演劇研究所に入り芝居に熱中したが、1968年に来仏。フランス人大学教授と知り合い、結婚、そして離婚。次に出会 [...]

ルソーの静かな食卓 〈12〉

フランス18世紀は、性愛に対して自由だったとされている。ルソーとも一時期交友があった哲学者のディドロなどは、ポルノと呼ばれてもおかしくないような小説をものした。だが、プロテスタントの教えを受けて育ったルソーにとって、快楽はどこか罪深いもの。大流行したルソーの恋愛小説『新エロイーズ [...]

よむたび。〈26〉ヨーロッパ〜アフリカ〜カリブ海

『 来ては過ぎゆく日々(仮題) 』 Les jours viennent et passent へムリ・ブーム著 Gallimard刊 2019年 カメルーン、過去と現在。 筆者はへムリ・ブームを前作『マキザール』で知った。フランスとの間で激しい闘いとなった植民地カメルーンの独立 [...]

Agnès b.のカーディガン・プレッション

シンプルでいながらシックなカジュアルウェアとして日本でも人気のあるAgnès b.(アニエスベー)。ファッション誌「Elle」のスタイリストだったアニエスさんは1973年に自分のブランドを立ち上げ、パリのエスプリにあふれた製品を作り続けてきた。なかでも、スナップボタンが特徴の「カ [...]
 

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