La Route du Poisson
「魚の道 Route du Poisson」とは、かつて、北の海からパリまで、魚を運ぶために使われた道。頑丈な足腰を持つ輓馬(ばんば)の曳く荷車に魚を積んで、ブローニュ・シュル・メールの漁港からパリまでおよそ300kmを走った。「駅 relais de Poste」で馬を替えながらリレーしたていたが、馬による物資運搬は鉄道の発達とともにすたれてしまった。
失われつつある輓馬文化を継承しようと、1991年、この「魚の道」を走るレースが誕生した。これが10年前から行われていなかったのだが、この9月、めでたく復活することになった。
ブローニュ・シュル・メールからパリまでの公道を、15km〜20kmごとに駅を置きリレーする。このレースの勝者(馬)が、最後はエリゼ宮(大統領官邸)料理長へ魚を配達する、という競争だ。
2021年6月掲載記事「魚の道」をゆく!もあわせてご覧ください。
今回のイベントは、9月13日(火)から18日(日)。13日から16日まではブローニュ・シュル・メールを拠点に、リレー以外の馬術競技が行われる。
「魚の道」レースは17日の朝にブローニュ・シュル・メールの漁港を出発。レースの最終ステップは18日(日)にパリ市内で行われ、レースの勝者がエリゼ宮へ魚を配達する。経路は下の地図参照。
今年は12チーム、計350頭の馬が参加。今回、このレースに初めて、日本のチームも登場する。騎手は岩間敬(いわま・たかし)氏。英国馬搬技術コンテストのシングル部門優勝者で、「魚の道」レース開催者と同様、日本での馬搬、馬耕などの馬文化を継承する志のもと、2016年「馬搬振興会」を設立し、馬や人を育成している。
岩間氏は、17日、アミアンの競馬場で岩手県盛岡の伝統行事「チャグチャグ馬こ」も披露。また、「魚の道」大会開催に合わせ、在仏日本大使公邸で開かれた日仏馬事セミナーでは、明治以来の日仏の交流や日本の馬搬材、馬耕米で作られた漆塗り作品や日本酒TAZINBA(田人馬)の紹介が行われた。
9月18日の予定
※昨年パリで行われた「魚の道」では、道路事情と雨により、最終的に数時間の遅れとなりました。遅れが出ることは十分考えられますので、ご理解ください。
10h : Rond-point des Champs-Elysées を出発(最終ステップ)
12h : シャンゼリゼに到着(122番地あたり)
12h30:到着セレモニー
13h-14h:授賞式 ミス日本酒が日本酒「田人馬」を勝者に授与
15h15:エリゼ宮(大統領官邸)へ魚を届ける行進の出発
16h:エリゼ宮料理長へ魚を配達
17h:シャンゼリゼを行進。
終了
*アミアン競馬場では「チャグチャグ馬コ」エキシビジョン
9月17日(土)
Hippodrome d’Amiens
99 av. de l’Hippodrome
80000 Amiens
岩手県の、農耕馬に感謝する祭り。200年ほど前から行われていて、無形民俗文化財にも指定されている。祭りの日は馬に晴れ着(衣装、垂れ幕、鈴、鞍)を着せて練り歩く。
Paris Gare du Nord(パリ北駅) からAmiensまでは電車で1時間20分程度(直通)。乗り継ぎだと2時間弱。
「魚の道」到着地点
Adresse : 122 avenue des Champs-Elysées , 75008 Paris , Franceアクセス : Georges V
URL : https://www.facebook.com/thefishrun