フランス・パリ市内の14*のミュージアムを運営する「パリ・ミュゼ Paris Musées」が所蔵する作品10万点以上のデジタル画像が、2020年1月8日から誰でも無料で使用できるようになった。商業目的であってもなくても、企業でも個人でも高解像度の画像をダウンロードできる。
画像の無料使用を許可することで、パリ市が所蔵する美術作品をより国内外に知らしめることが目的だ。許可されたものにはレンブラント、セザンヌ、クールベなど巨匠の作品が多数ある。けれども、著作権の縛りが厳しいアーティストのものは含まれていない。パリ市立のミュージアムは、テーマが様々あるので、閲覧できる画像も、絵画、彫刻などはもちろん、写真、テキスタイル、モード、ステンドグランス、道具や機械、手稿、玩具、馬具など多岐にわたる。
実際にやってみよう。サイト http://parismuseescollections.paris.fr/の中程にある「著作権フリーの画像 Les images libres de droits」からセザンヌの絵をクリックする。次のページの左側に出てくる画像の下の「ダウンロードTélécharger↓」をクリックすると、画像のファイルがダウンロードできる。絵画のタイトルや、画家の名前などから検索できるだけでなく、美術館、作品の形態、年代、色などからの検索も可能だ。
ファイルには画像の他に規約書がフランス語、英語、スペイン語で入っている。「ダウンロードした画像は第三者も使用可能」、「画像の販売禁止」、「作者名、作品名、『パリ・ミュゼ』、所蔵美術館名をつけることを推奨する」とある。
著作権の縛りが厳しいマティスの画像はどうか。一点選んでクリックしたが、画像の下に「ダウンロード」の表示が出ない。そう、これは不可なのだ。けれどもフェイスブック、ツィッター、メールでのシェアは可能だ。
フランスではパリ市美術館が初めてだが、外国ではニューヨークのメトロポリタン美術館、アムステルダム国立美術館がすでに作品画像のフリーアクセスを行なっている。(羽)
*パリ市立のミュージアム
- カタコンベ Catacombes de Paris
- シテ島地下納骨堂と考古学博物館 Crypte archéologique de l’île de la Cité
- バルザック記念館 Maison de Balzac
- ヴィクトル・ユゴー記念館、オートヴィル・ハウス Maison de Victor Hugo – Hauteville House
- ブールデル美術館(彫刻)Musée Bourdelle
- カルナヴァレ パリ歴史ミュージアム Musée Carnavalet, Histoire de Paris
- チェルヌスキ東洋美術美術館 Musée Cernuschi, musée des Arts de l’Asie de la Ville de Paris
- コニャック=ジェイ美術館 Musée Cognacq-Jay
- パリ解放記念ミュージアムMusée de la Libération de Paris – Musée du général Leclerc – Musée Jean Moulin
- ロマン派美術館 Musée de la Vie romantique
- パリ現代美術館 Musée d’Art Moderne de Paris
- ザッキン美術館 Musée Zadkine
- ガリエラ館-モード美術館 Palais Galliera, musée de la Mode de la Ville de Paris
- プチ・パレ Petit Palais, musée des Beaux-arts de la Ville de Paris