非暴力で絶滅への反抗を表す「エクスティンクション・リベリオン」

10月は凱旋門などパリ市内の多くの場所で活動が行われた。

数カ月前からフランスのメディアで話題になっている「エクスティンクション・リベリオン」(以下略してXR)。気候変動に対して行動を起こすことを政府に要求する非暴力の抵抗運動だ。要求内容は、「気候と生物の緊急事態を宣言し、真実を伝えよ」「生物の多様性の喪失を即座に止め、2025年までに排出炭素をゼロにせよ」「市民議会を設置し、そこで決議された気候とエコロジーについての方策を実行せよ」だ。

運動は2018年10月31日にロンドンでイギリス政府に対して宣言され、1年で55カ国以上に広がった。ロンドン・ヒースロー空港拡張に反対する環境団体の活動家、有機農家、生物物理学者などが設立の中心となった。ロゴは地球を表す円の中に絶滅(エクスティンクション)まで時間が迫っていることを象徴的に示す砂時計を描いたもの。運動の元になる理論は、「人口の3.5パーセントが非暴力の抵抗運動をすれば社会のシステムが変わる」というアメリカの政治学者、エリカ・チェノウェスの研究だ。チェノウェスは20世紀の市民運動・革命において非暴力の運動が暴力を伴った運動の倍の成功を収めたと発表している。

フランスではロンドンの半年後に始まった。今年6月28日は、パリのシュリー橋に座り込んだ活動家たちが警察から顔に向けて催涙ガスを浴びせられた。9月20日の若者の環境デモの時もXRのロゴをつけた参加者が目立った。10月7日から1週間、ロンドン、ベルリンなど世界中で運動が展開されたとき、パリではイタリー広場のショッピングセンター、シャトレ広場、凱旋門周辺などが占拠された。

行政施設などにあるマクロン大統領の肖像を外す「ANV-COP21」や投機的金融取引への課税を求める「アタック」のような他の非暴力のNGOとの違いは、リーダーや発言する人が決まっている縦組織ではなく、誰もが無名で同等の横組織であること。そのため、「黄色いベスト」のように政府は誰と交渉していいかわからず、運動が先細りになるのではと懸念する人もいる。

気になるのは資金源だ。資金収集は国によって違う。イギリスでは資産家からの大口の寄付がある。ロバート・ケネディの娘と石油王ポール・ゲティの子孫とアメリカ人投資家が作った「クライメート・エマージャンシー・ファンド」から35万ドル(約3800万円)の大口の寄付があったことが英米メディアで話題になった。フランスはこのファンドからの寄付を拒否し、小口の寄付と自己資金で運営しているという。(羽)


 

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