35人の死者と300人以上の負傷者を出したブリュッセルのテロ事件から1週間となる29日(火)、ブリュッセルのイヴァン・メイエール市長がパリ市議会を訪れ、議員に向けて演説をした。
昨年11月のフランスでのテロ以降、フランスとベルギーの合同捜査が進められるなか、イダルゴ・パリ市長はパリとブリュッセル2都市の連帯の印としてメイエール市長を市議会に招待し、壇上に迎えた。
メイエール氏は「私たちの大陸は、第二次世界大戦の分裂の後、民主主義、自由、男女平等、ヒューマニズムなどの価値観の上に欧州を築きました。ブリュッセルで、その欧州のシンボルが攻撃されました」と、今回のテロが象徴するものを語った。
「いかなる文化的、社会的な理由も人を殺す正当な理由にはなりえない・・・私たちの社会は過激化の現象を明らかにし、理解しなければなりません。感情を超え、適切な答えを出して過激化の動きを根絶しなければならない」。
22日のテロの被害者は多国籍に及び、ブリュッセルの国際性を示した。市長は「市民の安全と、民主主義などの価値において譲歩することなしに、包括的な社会実現への歩みを続けなくてはいけない。市民に平等に機会が与えられ、居場所を見つけられる社会。文化や世代が共生する社会のなかにのみ、国際的な都市は発展することができるのです。私たちの社会は、共生によって進歩するのです」と、今後も世界に開かれた都市であり続けることを議会に約束した。
議会は、この前日に起きたパキスタンでのテロや、コートジボワールでのテロも含めた犠牲者に黙祷を捧げた後、メイエール市長に激ましの拍手を送った。(集)