手の込んだ伝統料理に以前から定評があったのだが、シラク元大統領が生前足繁く通っていたことから、このところ、がぜん注目を集めているレストラン。現在も、多くの政治家や芸能人が訪れるので、店内にはセレブたちと店主クロードさんの写真が誇らしげに飾られている。
シラク元大統領がこよなく愛した料理といえば、店の看板料理でもあるテット・ド・ヴォー(24€)。ここのものは、牛舌も一緒にジャガイモやニンジンなどを煮て、ポトフ風に鍋ごと給仕される。コラーゲンたっぷりでぷるぷるとした子牛頭部のゼラチン質には、ラヴィゴットソースをつけて食すのだが、このソースが絶品!粗みじんのエシャロットのアクセントが効いていてお代わりしたいくらい。
バヴェットやローストチキンなど、肉料理には目がなかったという元大統領、当然、店自慢のソーセージ類も好きだったはずと、ブーダンと自家製ソーセージ(21€)も頼んでみた。ブーダンは、大きな輪切りで表面をプランチャでカリッカリに焼いてあって美味。血だけでなく、肉もゴロゴロと入っていて食べごたえあり。ソーセージの方はトリュフ入りで、その香り高さにうっとりとなってしまう。
ワインはボトルで20€から。ピシェなら24cl 4.50€/ 50cl 9€という店構えの割に気軽な価格に驚いた。ピシェでとったコルビエールの赤は、どっしりとしながらも華やかさがあり、するすると飲みやすい。
まわりを見渡すと恰幅のいい背広の紳士たちと年配の方々ばかりで一瞬ひるむが、場所柄、外国人への対応にも慣れているので臆することなく出かけよう。名物料理がひととおり味わえるコースはグラスワイン付きで29.50€。(里)
Le Père Claude & fils
Adresse : 51 avenue de la Motte-Picquet, 75015 Paris , FranceTEL : 01.4734.0305
アクセス : M° La Motte-Picquet-Grenelle
無休 12h-14h30/19h-22h30