前回(867号)は、肉の美味しいトルコサンドイッチを取り上げた。今回は打って変わって、べジタリアンのトルコサンドイッチを紹介したい。
メニルモンタン界隈とサンマルタン運河近くに2店を構える、真っ赤な外観が印象的なこのお店の看板料理は、なんといってもÇig Köfte(発音はチッコフテ)。トルコ東南部の名物で、トマト、赤ピーマン、挽き割り麦のブルグル、クルミに加え、野菜とスパイスを混ぜてピュレ状にしたもの。これをたっぷりのサラダ菜と一緒にラヴァシュと呼ばれる薄皮のパンで包んだサンドイッチは、一口頬張った瞬間にまずその濃厚さに驚く。
肉も魚も入っていないのに、野菜とザクロのソース、そして27種類のスパイスでこんなにも強く豊かな風味になるなんて。これぞべジタリアンマジックのなせる技だと感心する。食べ進むにつれ、ところどころミントの葉が出てきて爽やかだったり、ピクルスが出てきて酸味が利いたりと、その都度味わいに変化が生じる。最後まで楽しみながら完食したら満腹は保証つき。これで4€は破格の安さだ。食後は、様々なスパイスの余韻が口中に残っていて心地よい。
もう一つのおすすめ料理はKumpir(10€)。特大サイズのジャガイモを茹でて平らに潰したものにチーズを散らしてオーブンで焼き、その上にヨーグルトソースのTzaziki、ひよこ豆のペーストHumous、赤ピーマンのマリネ、焼きナスのピュレ、キノコのマリネなど、様々な冷菜をのせたもの。横にはフェタチーズのサラダが添えられ、前述のÇig Köfteもちょっぴりついていて、大食漢も喜びそうなボリュームのベジタリアン料理だ。
このMezzéと呼ばれる冷菜は全12種類。2.5〜3€(100g)で自由に注文できる。テイクアウトも可能で、お惣菜屋としても利用できて便利だ。7種類のデザートも1~3€と本当にリーズナブル。ほろほろ食感が面白いゴマペースト菓子のHelvaがおすすめ。(み)
Le Mezzé du Chef
Adresse : 80 Rue de Ménilmontant / 49 rue des Vinaigriers, 75020 ParisTEL : 06.9565.1920(Ménilmontant) / 06.6660.2642(Vinaigriers)
アクセス : M° Ménilmontant(Ménilmontant) / M° Jacques Bonsergent(Vinaigriers)
URL : www.lemezzeduchefcigkofte.fr
無休、 11h-24h(金土-2h) (Ménilmontant) / 月休、火〜日 11h-15h/19h-23h30(Vinaigriers)