Jackson Pollock : Les premières années (1934-1947)
抽象表現主義の画家ジャクソン・ポロック(1912-56)は、上から絵の具を散らしたり (ドリッピング)、流したり(ポーリング)する手法を始める前は、どんな絵を描いていたのか。それがわかる展覧会だ。美術学生時代は写実的な具象画を描いていた。その後、メキシコの壁画の影響を受けた。ピカソの影響は多大で、1939年にニューヨーク近代美術館(MOMA)で見たピカソの大回顧展後、ピカソ的なハイブリッドな人物を描いた。
しかし、特に面白いのが、ナチス占領下の第二次世界大戦中、米国に逃れて、若い世代に大きな影響を与えたフランスのシュルレアリストたちとの関係だ。ポロックは彼らの周辺におり、同じようなものに感動し、同じところに通っていた。渡米したグループの一員だった画家ロベルト・マッタの自動記述のワークショップに何度か参加した。パリで版画工房を開いていた米国人スタンレー・ウィリアム・ヘイターはニューヨークに戻って工房を開き、シュルレアリストたちが版画を制作しにきた。ポロックもここに通った。シュルレアリストたちと同様、米先住民のアートからも影響を受けた。
また、アルコール依存症治療のためにユング派の精神分析を受け、無意識から出てきたイメージを表現し始めた。その一つが、1943年、ペギー・グッゲンハイムが経営するニューヨークの画廊での初個展に出品し、MOMAに買い上げられた「メス狼」だ。ドリッピング、ポーリングの技法はこの頃に始まった。ドリッピングは、ポロック以前、ペギーの当時の夫マックス・エルンストがすでに実験的に始めていたものだった。(羽)1/19まで
Musée Picasso Paris
Adresse : 5 rue de Thorigny, 75003 Paris , Franceアクセス : M°Saint-Sébastien - Froissart
URL : http://www.museepicassoparis.fr/fr
月休、火〜日 9h30-18h。16€ / 12€