Exposition Romy Schneider
ウィーン出身でフランスに帰化した女優ロミー・シュナイダーの展覧会が、パリのシネマテークで開催中だ。クロード・ソーテ、ルキノ・ヴィスコンティ、オーソン・ウェルズ、ジョゼフ・ロージーら、43年の生涯で出演した名匠の作品は約60本。多様な作品とともに、その生涯と功績を振り返る。
俳優一家に育ったロミーは15歳で銀幕デビュー。オーストリア映画の“プリンセス・シシー”こと皇妃エリザベート役で一躍アイドル的存在に。だが、そのイメージを振り切るように渡仏、祖国では裏切り者扱いされた。婚約者アラン・ドロンとの別れと再会、ハリウッドへの挑戦、ソーテ作品での新しい女性像の確立、元夫の自殺や息子の事故死……。彼女の人生は喜びと苦しみの間を行き来する劇的なものだったろう。共演パートナーのミシェル・ピコリは「ロミーは全てがジグザグ」と表現した。
だが、本展示はパパラッチ的な見方からロミーを解放する試みでもある。「安直さは私を楽しませないし、決して楽しませなかった。いつも私は闘ってきた」。会場では衣装や小道具、ポスターや手紙などの展示品の狭間に、本人の言葉が積極的に引用される。“ジグザグ人生”のその先には、情熱的な努力家で、自由を愛した進歩的な女性の素顔も見えてくる。
展示に合わせネット上では関連作品が無料で鑑賞可能。『Romy, femme libre』は本展示のキューレーター、クレモンティーヌ・ドルディーユ制作、リュシー・カリエス監督のドキュメンタリー。名優の人生にさらに斬り込んだ。また、『L’Enfer d’Henri-Georges Clouzot』はロミー主演の未完の巨匠作品を巡る異色ドキュメンタリー。文字通り “地獄”の撮影現場には言葉を失うが、強烈なイメージの実験は一見の価値がある。ともにfrance.tvのサイトが提供(アカウント開設が必要です/無料)。(瑞)
Cinémathèque
Adresse : 51 rue de Bercy, 75012 Parisアクセス : M°Bercy
URL : https://cinematheque.fr/exposition/romy-schneider.html
12h-19h (土日:11h-20h) 火休、展覧会は7/31まで。12€/9.5€/6€