ギター奏者ライ・クーダーが、キューバのダンス音楽の原型といわれるソンのヴェテランたち、コンパイ・セグンド(当時89歳)やイブラヒム・フェレール(69歳)を集めて1996年に録音した『Buena Visita Social Club』は大ヒット。コンパイ・セグンドが歌う『チャン・チャン』が世界中のラジオから流れた。ぼくが好んで聴いてきたのは、オマーラ・ポルトゥオンドの『ペインテ・アニョス』とエリアデス・オチョアがギターをひきながら歌う『エル・カルテーロ(荷馬車引き)』。オチョアはソン発祥の地とされるキューバ南東部サンティアゴ・デ・クーバ近くで生まれ、娼婦街のバーで演奏しながら腕を磨いたという。ゆったりと体を動かしながら踊りたくなるギター演奏、心に語りけてくるような歌声!次いでリリースされた彼のアルバム『Sublime Ilusion』は名盤中の名盤。
セグンド、フェレーレは高齢で亡くなってしまったが、オチョアは76歳の今も健在。昨年出したアルバム『Vamos a Bailar un Son』でも、その歌声は渋さを増し、軽くはねるようなギターも相変わらずで、キューバの誇り。近々新アルバム『Guajiro』もリーリスされるというから、今度のパリ公演、大勢の人が押しかけそう。(真)
Le Trianon
Adresse : 80 bd Rochechouart, 75018 Paris , FranceTEL : 01.4492.7800
アクセス : M° Anvers
URL : https://www.letrianon.fr/fr/programme/eliades-ochoa
5月31日18h30開場、20h30開演。52€、63€ (早めに予約)。