満場一致の芸術はつまらない。 伊モダンホラーの鬼才 ダリオ・アルジェント。

『サスペリア』が表紙の雑誌 La Septième Obsessionアルジェント特集。

監督デビューからまもなく半世紀、伊モダンホラーの鬼才ダリオ・アルジェント。仏西部の港町ラ・ロシェル映画祭 Festival La Rochelle Cinéma(2019年7月上旬に開催)では名誉ゲストに選ばれ、初期9作品を一挙上映したばかり。これが快作・傑作ばかりで、初長編『歓びの毒牙』(70)からいきなりの完成度で驚いた。

怖がらせるだけのホラーとは違う。目眩(めまい)を誘う空間設計と色彩感覚。キッチュの手前で踏みとどまり、ミステリーやホラー、心理劇を融和させ、何より芸術に奉仕する。シネフィルが無条件に支持する監督でもない。ラ・ロシェルでも新ディレクターの熱意でようやく特集が組めた。だが、満場一致の芸術はつまらない。呪われた監督の作品に今こそ裸眼で出会おう。

1970年の初作品『歓びの毒牙』

7月上旬からは彼の旧作『Quatre mouches de velours gris 4匹の蠅』(71)、『Ténèbresシャドー』(82)に加え、彼についてのドキュメンタリー『Dario Argento : soupirs dans un corridor lointain』(2019/ジャン=バティスト・トレ監督)も劇場公開。公開期間は短めと思われるので、目を凝らして上映回を探そう。

『4匹の蠅』1971年

『シャドー』1982年

劇場公開のタイミングを逃したら、VOD(動画配信)で見られる作品もある。彼の代表作『サスペリア』(冒頭写真)は、VODサイトlacinetekの利用が便利。このサイトは世界の監督に「理想のシネマテーク」用の作品50本を推薦してもらい、それをもとに配信リストを作る。視聴は作品ごとに課金されるほか、月2.9ユーロでlacinetekが選ぶ10本が見放題になる破格の定額制も。参加監督はスコセッシ、ジュノ、カラックス、日本からは是枝、黒沢など豪華な約70人。アルジェントも先月から参加。彼らの偏愛リストをみれば、巨匠たちの創造の源に触れられるはず。

また7月28日まではパリのシネマテークで、アルジェントと並ぶ伊ホラーの巨匠マリオ・バーヴァ特集を開催。暑い夏に涼しくなるホラーはいかが?(瑞)

今年度のラ・ロシェル映画祭に名誉ゲストとして招待された。

©Jean-Michel Sicot

 

• ダリオ・アルジェントが選ぶ「理想のシネマテーク」のための偏愛50本リスト
www.lacinetek.com/fr/realisateurs/dario-argento

• パリのシネマテークでマリオ・バーヴァ特集
www.cinematheque.fr/cycle/mario-bava-519.html


 

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