「5月11日の学校再開には無理があり、非現実的。先延ばしにしてほしい」— アンヌ・イダルゴ=パリ市長を含む、イル・ド・フランス地域圏(パリ首都圏)329人の市長が5月3日、大統領に宛てた共同書簡を経済紙ラ・トリビューン紙に寄稿した。
マクロン大統領は4月13日の演説で「5月11日から段階的に学校を再開」するとした。フィリップ首相が28日に示した学校再開の日程では、保育所、幼稚園、小学校は全国で5月11日から、中学校は感染リスクの低い県のみで5月18日から1~2年生(5ème、6ème)。3~4年生(4e、3e)と高校生は5月末に再開の是非を決めることになっている。
しかし市長らは、その日程が「多くの市町村にとって、衛生条件を整え学校を再開するのに無理があり非現実的」であると訴えている。パリ首都圏は感染リスクが依然高く、人口は多く密度も高い。マスクなどの不足もまだ解消されておらず、衛生基準を5月11日までに整えることは難しい。
国の指針もまだ流動的で、確定したとしても住民に伝える時間がない。そのような状況での開校で感染者、死亡者が出た場合の「法的、政治的責任を負うことはできない」と書簡で訴えた。
ほかにも
・国が衛生条件を整えることを保証すること。
・学校再開の是非に関しては、県知事と市長らが相談して決定するが、責任は知事が負うこと。
・国はマスクや白衣などを無料で教員や学校職員らに支給すること。
などを国に求めている。