2月28日付の保健省令により、Covid-19のPCRおよび抗原検査を公的健康保険が100%負担する措置は3月1日に廃止された。ただし、65歳以上の人、基礎疾患のある人、18歳未満、妊婦、医療関係者や集団検査はこれまで通り健康保険が全額負担する。
健康保険の負担分は医師・薬剤師による検査の場合は70%、看護師、理学療法士による検査なら60%。残りは本人負担になるが、保健省によると、ミュチュエル(共済保険)に加入していれば本人負担はない。
現在、抗原検査は20€前後、PCR検査は30~40€程度だ。また、ワクチン未接種の人には健康保険の負担を受けられる条件が厳しく、接種済みの人の場合と違いがあったが、それもなくなる。2月1日からコロナ陽性の人の自宅待機義務が廃止されたが、保健省は今回の100%負担廃止でコロナによる各種の特別措置はほとんどなくなり、「コロナ前の状態に少しずつ近づきつつある」とした。
とはいえ、コロナがなくなったわけではない。3月2日のデータでは新規感染者は4196人(2週間で15%増)、重症患者は721人(同5%減)、死者は21人(増減なし)で、第9波は12月上旬をピークに減少中。高等保健機関(HAS)は24日、基礎疾患などリスクのある人は秋から追加接種、前回接種から6ヵ月以上たった80歳以上は春から追加接種を奨励する勧告を出した。また、ほぼ全国民がこれまでに一度はウイルスと接触しているとし、リスクがない人への追加のワクチン接種は奨励していない。(し)