ボーヌで16年、さらなる上を目指す。
杉村圭史さん(47歳)
一年を通して観光客でにぎわうブルゴーニュ地方の都市ボーヌ。クオリティの高いワインと食を求める、世界各地からのゲストに愛されるのが、ミシュラン1つ星を20年ほどキープするル・ベナトンだ。この店のシェフは、杉村圭史さん。先代のブルノー・モノワール氏から店を引き継ぎ、いまも評判を守り続けている。
東京のフレンチレストランで10年ほど経験を積んだ後、2007年に渡仏。調理専門学校時代のフランス研修で半年を過ごしたのが現在の店で、フランスで職を探し始めたときにも、すぐに採用が決定した。「シェフの料理が好きだったんです。好奇心の旺盛な人で、当時ではめずらしかった天ぷらなど日本の料理にも興味を持ってくれていました」。
ボーヌに来てから、ワインにのめり込むようになった。「まわりの友達がワインを教えてくれるんです。お客様にもワイン関係者が多いので、自然と飲む機会も多くなり、知識も増えていきました」。料理も、ワインに合わせることを前提として組み立てる。「(料理とワインが)マリアージュして、相乗効果を発揮できるように、料理には必ずソースを添えています」。
店のスペシャリティのひとつが“パテ・アン・クルート”。2013年の世界コンクールで準優勝に輝いた逸品で、これを目指して訪れる客もいる。「パテには肉の捌き方から火入れ加減など、フランス料理に必要な技術のすべてが詰まっているので、作り甲斐があります」。
「ベナトンでの食事では何かを発見して、1週間たった後でも料理を覚えていてほしい」と杉村さん。インパクトを出すために、和牛や大葉、レモングラスなど日本やアジアの食材も使い、特にヨーロッパ人から好評を得ている。「この先も食材の組み合わせや料理の見せ方など、アイディアに磨きをかけて、もっと高いレベルを目指します」。(恵)
★「おいしさで、エールを送る。」日本人シェフたち。
杉村圭史シェフには、以前もオヴニー に登場していただきました。
Covid-19で病院が戦場のようになっている時、ブルゴーニュで活躍する他の日本人シェフ4人とともに病院にお料理を差し入れをする体験について語っていただきました(2020年4月15日号)。
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【特集】〈おいしいボーヌ。〉は4回に分けて掲載します。
〈その1:ワイン編〉
〈その2:ブルゴーニュ名物のおいしいもの。食べ物・レストラン編〉
〈その3:★近日公開予定!
オスピス・ド・ボーヌ:
歴史あるチャリティー・ワイン・オークションと、ワイン祭・栄光の3日間〉
〈その4:ボーヌのフランス料理店
Le Benaton(ル・ベナトン) 杉村 圭史さん〉
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Le Bénaton(ル・ベナトン)
Adresse : 25 rue du Faubourg Bretonnière, 21200 Beaune , FranceTEL : 03 80 22 00 26 /reservation@lebenaton.com
URL : http://www.lebenaton.com/