パリ首都圏のNavigo値上げ、電車の切符は一律2.5€に。
1月1日からイル・ド・フランス地域圏(パリ首都圏)内のメトロ・RER・国鉄のチケットが一律2.5€に。これまでは乗る区間によって最高5€だったため、郊外から長い区間を乗る人には朗報だが、パリ市内のみ移動する人にとっては2.15€からの値上げになる。バスとトラムウェイのみ利用する場合の切符は2€(車内購入の場合は2.5€)。ただし、これらの一律料金はロワシーやオルリー空港の路線には適用されない。12月末までに買ったチケットも2025年中は有効で、Navigo easyパス内に残った旧運賃切符はパリ市内のメトロとRERおよびバス、トラムで使える。ちなみに、公共交通機関を日常的に使う人のためのPass Navigoは1月から2.8%値上がりし、月額86.4€から88.8€になる。
チケ・レストランで買い物ができなくなる?
雇用主が従業員におよそ半額負担で支給するレストラン券が、1月からはスーパーなどでの食材購入に使えなくなる。買えるものはすぐに食べられる惣菜やサンドイッチなどに限られる。この券はもともとは従業員の福利厚生の一環として、飲食店で食事をとる際にお金の代わりに支払いの手段として設置されたものだが、コロナ後は小売店での食材購入にも使える措置が敷かれた。この措置を2026年末まで延長する法律が11月末に国民議会で可決されたが、その後、バルニエ内閣が総辞職したため、年内に上院審議を経て成立することは困難に。つまり、新たな法律が成立するまではレストラン券は食材購入には使えない。レストランでの支払いも現在は25€まで払えたのが19€に戻る。
パリ=ベルリン間の超高速列車が毎日運行に。
パリとベルリンを結ぶ日中の直通特急が12月16日から毎日1往復の運行を始めた。独仏国鉄が共同運行し、列車はドイツ国鉄の高速列車ICEが使われる。ストラスブール、フランクフルトなどを経由して片道8時間。仏国鉄は、この線が好評なら、パリ=ミュンヘン線(6時間)を現在の1日1往復から5往復に増やす意向だ。欧州連合(EU)も旅客の超高速鉄道輸送を発展させる政策を掲げており、2021年と比べて2030年には2倍、2050年には3倍の輸送増を目指す。ちなみに仏国鉄(SNCF)のTGV利用者は、2023年はのべ1億5600万人で前年より6%増。コロナ後の旅志向、環境への配慮から飛行機よりも鉄道を選ぶ人が増えたこと、長距離のテレワークが増えたことなどが要因とされる。