
フランス最高峰モンブランの麓にあるシャモニー市には世界から多くの観光客が訪れる。同市内の一戸建てやアパートの7割は別荘や観光客向けの短期賃貸住宅だ。賃貸・購入価格ともパリ中心地並みに高騰し、同市出身の人や同市で働く人は適切な価格で住居を得ることができずに周辺の市町村から1時間以上もかけて通勤する人も多いという。人口は1990年の1万人から現在9000人に減少した。
これに危機感を抱いた同市は3月13日、市内に新規の別荘(本宅でない住宅)を建てることを禁じる条例を制定した。これは本宅しか建てられない地区を市町村が決定できるようにした2024年11月19日法を適用したもので、フランスの市町村としては初めて。シャモニー市長は「住民を失うことは、わが町の魂を失うこと」と発言。観光客用の宿泊施設は十分にあるので、今後はバランスのとれた未来を構築したいそうだ。( し)
