フランスでもオリジナル楽器でバロック音楽を演奏する優れた音楽家が続々と誕生している。
この「ル・コンソール」というグループも、ヴァイオリンのラングロワ・ド・スヴァルトとド・バルドネッシュ、チェロのサルゼンシュタイン、ハープシコードのテイラーという4人の若いミュージシャンからなり、いずれも音楽祭で賞を得たり、アルバムを出したりと大活躍。3枚めの 『Specchio Veneziano』では、ヴェネチアを舞台に活躍したアントニオ・ヴィヴァルディと、ほとんど無名のジョヴァンニ・バティスタ・レアリの作品が演奏されている。
冒頭にレアリ、最後にヴィヴァルディの『フォリア』が収められている。フォリアは15世紀にイベリア半島で生まれた舞曲で、17世紀にイタリアを中心に大流行。共通するテーマを変奏していく形をとるのだが、コレッリ、マレ、ヴィヴァルディのものが名高い。ではレアリの『フォリア』*は? ヴィヴァルディでは優雅さが前面に出るけれど、レアリでは、「フォリア(狂気)」というタイトルが納得できるような生命力にあふれ、思わず踊り出したくなる。
それにしても4人の楽器の音色の美しさにため息! 録音も優秀で、ノエルのプレゼントにおすすめです。(真)
Alpha/22€前後。
**いろいろなフォリアを聴いてみたいならジョルディ・サヴァールの名盤 『La Folia』。Alla Vox/17€前後。