〈Larmes de crocodile〉の語源は16世紀のギリシャ語とラテン語から来ており、古代エジプトのナイル河でワニが苦しそうな呻き声を放ち、それを哀れに思い近づいた人をガボっと呑み込んでしまったという伝説から、〈Larmes de crocodile〉「ワニの涙」とは、「そら涙」で同情を買ってだますこと。...
戦国時代に武田信玄が塩不足で困窮していたとき、敵である上杉謙信が武田信玄に塩を送って助けたという故事があるように、〈Apporter de l'eau au moulin de quelqu'un〉「相手の水車に水を送ってやる」は、ライバルの仕事が有利になるようにすること。もちろん〈Apporter de l'eau ...
〈Carte〉の語源はラテン語の〈charta〉から来ており、文献によると1541 年、ある枢機卿の任務を記した紙が白紙〈carte blanche〉だったので「すべて自分の意志に任された」ととったという。17世紀には〈Donner carte blanche〉とは「すべてを任せる」を意味するようになった。今も意味は変...
日本ではキジが草むらの中に頭を突っ込んで身を隠したつもりでいることを表すことわざ「頭隠して尻隠さず」があるように、フランス語でもダチョウが危険を前にし、砂の中に頭を隠すように、問題を直視しないことを〈faire l'autruche〉 〈jouer les autruches〉という。〈pratiquer la pol...
元々は15世紀にアヴィニョンに教皇庁がローマから移されたとき、教皇がイタリアからレタスを導入し、ローマから来たレタスがあまりにも美味しかったのか、〈Vous êtes très bon〉(すごく優しい)という代りに〈Vous êtes bon comme la romaine〉とも言うようになった。つまり美味しいレタス...
〈Toucher sa bille 〉とは、ビリヤードで相手の珠に命中させることから、様々な特技に秀でていることを意味する。20世紀半ばからの表現で〈Il touche sa bille en mécanique〉 なら「彼はメカに強い」、〈placer ses billes〉は「有利な立場に身をおく」、〈aller ...
〈Les Quatre cents coups〉といえばトリュフォーの名作『大人は判ってくれない』を思い出す(傑作な邦題だ)。その由来は、1621年、仏西南部のモントーバン市のプロテスタント系住民を弾圧するために20歳そこそこの若きルイ13世が大砲を400回発砲したが彼らは降参せず、王の軍隊をバカにした。1年後に王は作...