フレンチ・タッチ(!?)な小説。 2005-11-01 本 0 ●Francois Weyergans “Trois jours chez ma mere” ひさびさにフランス的な小説を読んだ—というのがこの小説を読み終わったあとの正直な感想だ。 「“あなたはみんなを怖がらせる”と、険悪になりかけていた会話にピリオ [...]
写真家から民族学者へ。 Pierre Verger (1902-1996) 2005-11-01 アート 0 パリで生まれブラジルで亡くなった写真家・民族学者ピエール・ヴェルジェ。ブルジョワ出身のヴェルジェが写真家になったのは30歳のころ。友人の写真家ピエール・ブッシェの影響だった。 旅をするのが大好きで、母親の死後、自分の欲望に正直に生きようと決心した彼は、カメラ片手に世界中を駆け [...]
『日常性の存在事典*』 2005-10-01 本 0 ●Petr Kral “Notions de base” 毎年のことながら、自分が読むにしても、人にすすめるにしても、秋の新刊シーズンに本を選ぶのはむずかしい。ウエルベックの話題の新作から11月の文学賞候補はもちろん、ノンフィクションなども数多く出版され [...]
ロシア的アイデンティティを模索…。 “L’art russe au musee d’Orsay” 2005-10-01 アート 0 19世紀半ばからロシア革命までの時代に、ロシア的アイデンティティを模索していた芸術家たちが、絵画、彫刻、工芸、建築、写真の分野でそれをどのように表現したかを時代を追って見せる、一大展覧会だ。 19世紀中頃、ロシアの美術学校は、ギリシャ神話や聖書を主題にしたり、イタリア風の理想 [...]
バカンスはBDでのんびり楽しもう。 2005-08-01 本 0 暑さで頭の回転もにぶってしまう夏のバカンスには、BD(コミックス)がいちばん。 ●Les Scorpions du desert : Le chemin de fievre 「水夫コルト・マルテーズ」シリーズなどでボクらの心を浮き浮きさせてくれたユーゴ・プラットが亡くなってさ [...]
小さな宝石のようだ。 Musée Cernuschi 2005-08-01 アート 0 知る人ぞ知るアジア芸術の美術館が1年の大改装工事を経て再オープンした。美術館の建物はイタリア出身の富豪アンリ・セルヌスキ(1821-1896)の館。セルヌスキ(イタリア語ではチェルヌスキ)は、イタリアがオーストリアに一部占領されていた時代にミラノを解放した英雄のひとりで、解放後 [...]
期待の新作。 2005-07-01 本 0 ●Céline Curiol “Voix sans issue” 新しい本との出会い、新しい作家との出会いには、いつも何か、文字通りCoup de foudreがある。「一目惚れ」という日本語では表現しきれていない何か。タイトルを見た瞬間、表紙をみた時、 [...]
石の抵抗〈No man’s land〉。 ラリー・タウェル写真展 2005-07-01 アート 0 カルチエ・ブレッソン財団で、2003年のカルチエ・ブレッソン賞を獲得したラリー・タウェルの写真展が開かれている。 ラリー・タウェルの描く〈No man’s land〉とは、パレスチナのことである。ラリー・タウェルは53年生まれのカナダ人。農場に住みながら音楽や詩、 [...]
L’Homme et ses masques 2005-06-15 アート 0 何千年も前から人間はマスクにどんな思いを込めてきたのか。ジュネーブのバルビエ・ミューラー博物館が所蔵する素晴らしい仮面コレクションから87点。アフリカ、オセアニア、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの仮面に作家ミシェル・ビュトールが詩を捧げる。ほとんどの作品は一般初公開。8/28迄( [...]
子供の国へ旅立とう。 2005-06-01 本 0 ●Alexandre Jardin “Les Colories” 本書は、これまで知られていなかった太平洋の島の民族のお話だ。この民族とは、1980年に生まれた民族。その名は「コロリエ」、文字通り訳すと「色つきの」。彼らの文化とは、子供文化。つまり、すべ [...]