一見穏やかに見える作品だが。 « Pierre Bonnard » 2006-03-01 アート 0 ボナールは日本人に人気がある。三岸節子をモデルにした芝木好子の小説『火の山にて飛ぶ鳥』には、主人公の色彩が「ボナールばり」と形容されている箇所がある。(羽)も、ほどほどに好きだった。「だった」と過去形にしたのは、パリ市近代美術館のボナール展を見て、この画家についての印象が複雑に [...]
国から国へ。 2006-02-01 本 0 ●Jean-Marie GOURIO « Alice dans les livres » 小さいときから本が好きだった人にとって、『不思議の国のアリス』と聞くと、子供のころのこと、子供の時に読み聞かせてもらったり、自分で読んだアリスの冒険が思い浮かぶだろう。あの、まさに「不思議 [...]
精神と肉体の親密な一体化。 « Bernard Faucon » 2006-02-01 アート 0 今年56歳のフランスの写真家、ベルナール・フォコンの、1976年から95年までの回顧展。 第一部は、等身大の少年の人形たちが、フォコンの故郷、南仏の風景の中で遊ぶ、初期のシリーズ〈学校休暇〉だ。人形たちは、一部本物の少年を交えて、海岸で寝そべったり、雪合戦をしている。昔のグラ [...]
『路上観察で歩くパリ』(角川書店) 2006-01-15 本 0 パリの街を歩いていると「これはな~に」と、ガイドブックがまったく役に立たないような不可思議なものに出会うことが多い。著者は、強い好奇心と鋭い観察眼で、街角ごとに「??」と立ち止まり、ユーモア溢れる考察を繰り広げる。「屋根? 壁?」、「ふさがれた出入口」、「光るものにはフタ」、「 [...]
女性の感覚。 2005-12-01 本 0 12月、クリスマスシーズンということで今回は2冊紹介しよう。(樫) ●Nina Bouraoui « Mes mauvaises pensees » 本年度ルノドー賞受賞の本作は、ニナ・ブラウイの第9作。彼女は現代フランス文学の代表的女流作家といってもよい。300ページ近いこ [...]
芸術への反逆。 « DADA » 2005-12-01 アート 0 「絵画は終わった。誰がこのプロペラよりも良いものを作れるだろうか?」。1912年、パリで行われた航空見本市を訪ねたマルセル・デュシャンの言葉だ。これは世界初の芸術への終末宣言で、のちにダダの姿で具体化される芸術の危機の予言でもあった。第1次大戦直前にイタリアで生まれた未来派が、 [...]
フレンチ・タッチ(!?)な小説。 2005-11-01 本 0 ●Francois Weyergans « Trois jours chez ma mere » ひさびさにフランス的な小説を読んだ—というのがこの小説を読み終わったあとの正直な感想だ。 「“あなたはみんなを怖がらせる”と、険悪になりかけていた会話にピリオドを打つようにデルフ [...]
写真家から民族学者へ。 Pierre Verger (1902-1996) 2005-11-01 アート 0 パリで生まれブラジルで亡くなった写真家・民族学者ピエール・ヴェルジェ。ブルジョワ出身のヴェルジェが写真家になったのは30歳のころ。友人の写真家ピエール・ブッシェの影響だった。 旅をするのが大好きで、母親の死後、自分の欲望に正直に生きようと決心した彼は、カメラ片手に世界中を駆け [...]
『日常性の存在事典*』 2005-10-01 本 0 ●Petr Kral « Notions de base » 毎年のことながら、自分が読むにしても、人にすすめるにしても、秋の新刊シーズンに本を選ぶのはむずかしい。ウエルベックの話題の新作から11月の文学賞候補はもちろん、ノンフィクションなども数多く出版されており、あまりにも多 [...]
ロシア的アイデンティティを模索…。 « L’art russe au musee d’Orsay » 2005-10-01 アート 0 19世紀半ばからロシア革命までの時代に、ロシア的アイデンティティを模索していた芸術家たちが、絵画、彫刻、工芸、建築、写真の分野でそれをどのように表現したかを時代を追って見せる、一大展覧会だ。 19世紀中頃、ロシアの美術学校は、ギリシャ神話や聖書を主題にしたり、イタリア風の理想 [...]