Franquin “Idees noires:L’Integrale” 2008-10-31 本 0 エルジェやエドガール・P.ジャコブと並んでベルギーを代表する漫画家フランカンが亡くなってもう11年。エルジェが描くタンタンは、どこか早く大人になりすぎたような、きまじめさと余裕のなさが鼻についたりすることもあるが、フランカンの描くスピルーやファンタジオはいつまでたっても少年のよ [...]
★★★ Histoire de Melody Nelson 2008-10-01 シャンソン 0 セルジュ・ゲンズブールが、1970年にロンドンで数カ月をかけて作り上げたアルバム『メロディー・ネルソンの歴史』は、ロックバンドとオーケストラ、コーラスが絡みあう実験的な音作りのみごとな交響詩だった。その前衛的サウンドの管弦楽法とアレンジを担当した名アレンジャーのジャン=クロード [...]
フレッドの精緻な鉛筆画、セシルの独自の審美眼。 “Fred Deux-Cecile Reims” 2008-10-01 アート 0 本格的な美術展がまだ始まっていないパリで、一番おすすめの展覧会がこれ。半世紀にわたって仕事も生活も共にしている素描家の夫と版画家の妻の回顧展だ。モンマルトルの美術館とマレ地区の画廊で同時開催されている。 パリ郊外の貧しい労働者家庭に生まれたフレッド・ドゥ(1924-)は、幼いこ [...]
Willem “Coeur de chien”/Julie Doucet “Monkey and the Living Dead” 2008-10-01 本 0 コミックス作家のダヴィッド・B、スタニスラス、マット・コンチュールなどが1990年に設立した〈L’Association〉は、オルタナティブなコミックス作家の作品を紹介し続けてきた、BDファンにはうれしい出版社。バカンス前に紹介したジョアン・スファールなどもその一人 [...]
人間は皆素晴らしい。 “Richard Avedon Photographies 1946-2004 2008-08-01 アート 0 リチャード・アヴェドン(1923-2004)のフランス初の回顧展。見終わったあとにすがすがしさが残った。アヴェドンの人間性に触れ、彼の人を見る目の深さに浸ることができたからだろう。 ニューヨーク生まれ。大学を終えて、デパートの宣伝写真を撮っていたときに、ファッション誌「ハーパー [...]
Joann Sfar “La Vallee des Merveilles” 2008-08-01 本 0 オヴニーが大好きなジョアン・スファール。『Le Chat du Rabbin』や『Petite Vampire』を紹介してきたが、今回は、夏休み、大人も子供も楽しむことができる『La Vall仔 des Merveilles』です。 島に朝が訪れる。まだ夢を見ている美しい妻の [...]
幻想的な場所を創り出す。 “Leonora Carrington” 2008-07-01 アート 0 神秘主義にアニミスム、魔術、シュルレアリスム、ファンタジーや神話の要素が混じった作風のレオノーラ・カリントン(1917-)は、イングランド北部の富裕な事業家の家庭に生まれた。母、祖母、乳母からケルト神話やルイス・キャロルの物語を語り聞かせられ、幼いころから現実を超えた見えない世 [...]
Daniel Clowes “David Boring” 2008-07-01 本 0 思春期を脱しつつある若者たちをコミックスに定着した『ゴーストワールド』のダニエル・クロウズの代表作が、大判で再刊された。ガス・ヴァン・サント、ラリー・クラーク、ハーモニー・コリンといった、米国の気になる監督たちが描く青春像にドキドキした人は、本屋に直行だ。 この作品の登場人物た [...]
カミーユとロダンの違い。 “Camille Claudel, une femme, une artiste” 2008-06-02 アート 0 ロダン美術館で、17年ぶりにカミーユ・クローデル展が開催されている。 今回は、19世紀後半という時代と、当時の女性彫刻家という面からカミーユの作品を再考するのが主眼だ。会場の解説を読めばテーマと作品の関わりがわかるので、ここではあえて言及しない。 それよりもこの展覧会では、 [...]
Livre d’art 2008-06-02 本 0 ●Post mortem これまで知らなかった写真家を発見するのに便利な写真文庫シリーズ〈Photo poche〉の中の一冊で、1850年ごろから現在まで死者を撮った写真が集められている。西欧では、古くから死者の面影を [...]