第71回カンヌ映画祭だより③
相次ぐ日本映画の公式上映。

『寝ても覚めても』チーム、濱口竜介監督、東出昌大さん、唐田えりかさん。

 コンペティション部門の是枝裕和監督『万引き家族』と濱口竜介監督『寝ても覚めても』
監督週間の細田守監督『未来のミライ』映画祭の中後半戦にかけ、重要な日本映画の公式上映がどっと重なりました。

 カンヌ映画祭が日本の取材陣のために作品上映の間隔を空けてくれる、なんとことは全くありませんので、特に新聞記者さんやテレビのクルーの方などは忙しそう。とはいえ、どの作品も素晴らしく、今年は特に日本人としても勝手に鼻高々でした。

『万引き家族』会見。中央に、安藤サクラさん。記者席には、母親の安藤和津さん姿も。

そして記者会見や囲み取材、公式上映などを通し、監督さんや俳優さん、関係者の方々の緊張や喜びといった様々な感情の渦巻きを目にするのは、こちらも興奮の体験であります。

 例えば、『万引き家族』の女優・安藤サクラさん。

母である安藤和津さんの長年の夢が、「いつか誰かにカンヌに連れていってもらうこと」だったそうで、今回、ちょうど母の日に母を連れやってくることができ、「末っ子の私が母の夢を叶えてあげることができてよかった!」と感無量の様子で語っていたのは、とても印象的でした。記者会見場では、前列で自慢の娘を見つめる安藤和津さん姿もありました。

 実はこの『万引き家族』、現在、パルムドールの下馬評が最も高い一本となってます。日本映画でパルムドールの下馬評でトップ、というのは、近年、記憶にありません。

そしてこの作品では、安藤サクラさんの存在感は圧巻!
また是枝監督の視線には、樹木希林さんへのほとばしる愛をひしひしと感じました。

 最高賞への期待が否が応にも高まってしまうところですが、なにやらマーケット関係者からは、レバノンのナディーヌ・ラバキー監督『CAPHARNAÜM』もすごい映画だぞ、という噂がちらほら聞こえてきます。強敵なライバルの出現となるのでしょうか。

 しかし、色々と想像を巡らせてみても、昨年のリューベン・オストルンド監督『ザ・スク エア 思いやりの聖域』のように、意外な作品がパルムドールをかっさらうことも実によくあること。最後まで目が離せません。授賞式はフランス時間で5月19日(土)の19H15からです。

『未来のミライ』細田守監督と、主演声優の上白石萌歌さん。

会見直後、サイン求める記者に応じる是枝監督、リリーさん。