Un monde plus grand
モンゴルでシャーマンになったコリーヌ・ソンブランは、科学者と協力して、シャーマンが陥るトランスの脳内メカニズムを脳波測定などで解明し、治療に使えないかと考えている。
ソンブランは、ラジオの仕事でモンゴルに行き、遊牧民ツァータンのシャーマンの儀式を録音したとき、太鼓の音でトランス状態に陥った。シャーマン修行を勧められたソンブランは、モンゴルに通って儀式を習得した。その軌跡を描いた映画『Un monde plus grandより大きな世界』が10月30日に公開される。監督はファビエンヌ・ベルトー。主演はセシル・ドゥ・フランス。
モンゴルで儀式の太鼓の音に反応してトランスになる人は10万人に一人だ。作曲家であるソンブランは太鼓の音では不十分ではないかと考え、太鼓をもとに、トランスに陥りやすい音を科学者と合成し、霊を介せずトランスに陥ることができることを証明した。500人にこれを聞かせた実験では、85%がトランスに陥った。この音を聞かせてトランスになり、難病が治った人や心の傷が癒えた人の例もあるが、治療として使えるようになるのはまだ先だ。トランスでは、普段使っていない脳の部分が活性化されるという。9月19日、修行体験に科学的知見を加えた彼女の本がプレスポケットから出る。(羽)