アントニオ・ライアというサックス奏者を知っていますか。ナポリ生まれで、今年35歳、逸材のサックス奏者だ。幸いにもぼくは、2018年に彼の演奏をきく機会にめぐまれ心底感動した。ひと吹きの立ち上がりから消滅まで、自分の音におぼれることなく、目覚めている。淡々と歌っているようでも、ただならぬ重層性とエモーションを秘めているのだ。
同年にソロによる『Asylum』(写真)がリリースされたが、初アルバムとは思えない円熟がある。たとえば『The lights inside scream』に耳を傾けてみれば、どこかナポリという風土に根ざした彼の内なる声が響いてくる。
そのライアが、モントルイユやパリ**で公演する。26日20hと29日18hは、モントルイユで一カ月続くUn Espace Ouvert sur La Ville*という企画の中で、即興畑のトランペットのエムリック・アヴィス、ギターのニルス・メートルやリシャール・コント、ドラムスの佐藤真らと初共演する。(真)
*ギター奏者、リシャール・コントの働きかけでモントルイユ市が市運営のGalerie éphémèreを、即興演奏の実験場として提供。多数のミュージシャンやダンサーが参加する、一カ月だけのはかないだけに忘れられない好企画だ。
パリ公演(ソロ):
** Espace Gallix
5 rue Pierre Semard 75009
M°Poissonière 予約要(06.5170.4422)
Galerie Éphémère
Adresse : 1 Rue Kléber , 93048 Montreuil , FranceTEL : 01.4952.5050
アクセス : M° Croix de Chavaux
URL : https://www.facebook.com/events/1401583773910433/1401586513910159/
5月26日 20h / 5月29日 18h