ベネズエラの国民食「アレパ」はトウモロコシを原料とする薄焼パン。南米特産キャラメルクリームのドゥルセ・デ・レチェやバターを塗って朝食に、また、肉類やチーズを挟んで昼食や夕方のおやつにと、様々な時間帯に食されている。
カラフルで陽気な雰囲気の店«Aji dulce»は、12時半あたりになると長蛇の列ができる人気ぶりだ。アレパの具にはベネズエラの伝統料理、Pabellónをチョイス。身がほぐれ、くたくたになるまでたっぷりの野菜と煮込んだ、味わいも濃厚な牛肉と黒豆のピュレに、甘く酸味の残るプランテンバナナがいいアクセントになっている。アレパは表面がややかため、中もぎっしりしている上に、具の量も豪快で、1個完食すると満腹になった。赤と緑のチリソースも、好みに合わせて活用しよう。
● Aji dulce : 19 rue Notre Dame de Lorette 9e
Tél : 01.8387.155611h30-14h30/19h-22h(金土18h30-22h30 日18h30-22h) 8月も無休。
M° Saint-Georges www.ajidulce.fr
対照的に、昨今のパリらしいインテリアの« Maïz »は、席数も多く広々としている。夜はワインバーになるので、アレパは通常ランチタイムのみ。具に選んだCarne mechadaは、煮込んだ牛肉にチーズをのせたもので、ほどよく肉の繊維を残した煮加減と歯ごたえが、どこかポトフを思わせる食感だ。ソースが少なく、やや淡白な印象を受ける。アレパは表面がカリッとしている点は同じだけれど、こちらの方がやや薄めで軽い。何よりも中がもっちゃりしていて北イタリアのクリーミーなポレンタを食べているみたいだし、胚芽も入っているので味わい深い。
どちらのお店も、肉入りアレパは1個9.5€、野菜やチーズだけなら8.5€。個人的には具は前者、生地は後者に票を入れたいところ。自家製ジュースやカクテルも美味しいので、色々試してお気に入りを見つけたい。(み)
● Maïz : 54 rue d’Argout 2e Tél : 01.4236.0732
12h-14h30/18h30-22h(日月休) 8月13〜17日夏季休業
M° Sentier maiz.fr