リサイクル品を扱う 「エマウスの店」は、フランスにいる人なら誰でも知っているが、いくつものグループに分かれていることはあまり知られていない。
ピエール神父が弱者の救済と社会復帰のために70年前に設立したエマウスは、非営利団体「エマウス・フランス」になった。約360の企業やNGOがその連絡網に入っていて、フランス全土でそれぞれの名称の店舗を展開している。
エマウス・フランスの3本の活動軸は共同体生活、住居、社会復帰。この社会復帰の活動として、社会的に困難な状況にある人を雇い、寄附された衣料や日用品を販売しているのが、「エマウス・アルテルナティヴ」だ。パリ東部とその近郊に10店舗。難民、ホームレスなどを雇い、住居探しや職探しを支援する。
ここで就労できるのは2年で、その間に後の職業のための研修を受けられる。170人の人たちが、寄附された衣類を選別、洗濯し、アイロンかけと直しを施したものを店で売る。「2017年はデザイナーと協力して、ほつれたニットを金糸で修繕する〈金継ぎ〉をしました」と経済担当共同統括者のクリステル・クタンさんは言う。「金継ぎニット」はギャラリーで販売し、売り上げはアソシエーションに寄附された。(羽)