14年ぶりに 『American Utopia』という新アルバムを出したデヴィッド・バーンは、かのトーキング・ヘッズの歌手であると同時に、その音楽性を創り上げた伝説的な存在だ。
70年代末から80年代半ばにかけて、パリのどのパーティーに出かけても彼らの音楽がかかり、アフリカ音楽のポリリズムやファンクのグルーブを巧みにとり入れた、知的でアーバンなダンス音楽に、みんなで踊り狂ったものだ。ブライアン・イーノがサウンド作りに積極的に参加した『Remain in Light』は、いまだに超えることのできない最高傑作としてそびえ立っている。
バーンのボーカルは、軽くはねるようなリズム感の中にも波のようなしなやかさがあり、一度聴いたら忘れられない。今度のパリ公演、どんなステージになるのかなと、今年3月チリ、サンティアゴでのライブをyoutubeでのぞいてみた。バーンも含め全員グレーのスーツ、裸足姿で、ユーモアあふれる振り付けで踊りながらの演奏。やはり5つ星! 観客も楽しそうにダンシング。そしてトーキング・ヘッズ時代の名曲 『Born Under Punches』などがはさまれる。忘れられない舞台になるだろう。(真)
Zénith 11月5日(月)19h30。38€~66€。
早めに予約。