ファストフードを除いては、ピザすらも10€以下は珍しいこの時代、最もシンプルなマルゲリータが13€なんてことはもはやザラにある。だからこそ、本場の人がこだわりを持って作っていて、なおかつ10€を切っていたりしたら、貴重なお店リストにすぐさま仲間入り。
店名のDrogheriaはイタリア語で、スパイスやお菓子などを売る食料雑貨屋さんのこと。実際こちらのお店でも、イタリア各地の様々な食材を販売している。水を入れて火にかけるだけで本格的にできるイカ墨リゾットやポルチーニ茸リゾットの真空パックは何かと重宝する。シチリア産ピスタチオのペーストやモデナ産の熟成バルサミコ酢は、イタリア料理を作る上で欠かせない。所狭しと並ぶハム・サラミ、そしてチーズ類の隣にはどれも食べたくなるお惣菜、アンティパスティが目白押しで、これらをいくつか取って盛り合わせるPlancheは、1人前なら9€、2人前なら18€。
一見、食材やお惣菜がメインに思える店構えだけれど、実はピザで人気を博している。牛乳のモッツァレラよりもマイルドかつ濃厚な風味で格上とされる水牛のモッツァレラが全てのピザに使用されていて、店内で販売もしているこだわり食材で作るピザはどれも美味。Drogheritaと名の付いたマルゲリータは8€で、ドリンク付きのセットで9€と破格のお値段。悪魔を意味するDiavola(10€)は、通常は辛口サラミが入っているものだけど、ここではその辛口サラミのSpianataか、カラブリア州名物のN’Dujaから選べる。N’Duja(’Nduja)は、唐辛子と豚肉を混ぜて熟成させたサラミペーストで、ソースに混ぜたり、そのままパンに塗って食べたりする、カラブリア州では定番の食材。その辛さと微かな酸味の独特な味わいは、クセはあるが、慣れればハマる味だ。
他に、ゴルゴンゾーラやタレッジオが絡み合う4 Formaggiはチーズ好きなら唸る深い味わいで、強いチーズが好きな人には是非とも試してほしい。(み)
Drogheria Italiana
Adresse : 35 rue Léon Frot, 75011 ParisTEL : 01.4373.4085
アクセス : M° Charonne
火~土 11h45-20h30 (ラストオーダー19h45) 日月休