友人のおおしま伸さんが彼のサイト* に、<68年5月>について書いているのだが「それでもあの時代、新宿渋谷御茶ノ水どこの街のどこへ行ってもジョン・コルトレーンが流れていたような気がする」という一節を読んで心が揺れた。
ぼくもあの時代、明大通りを上り下りしながら、頭の中にはいつも『オレ!』や『アラバマ』が響いていた。そしてコルトレーンの新盤というビッグニュース!1963年3月6日、コルトレーン・カルテットは、バードランドでの演奏前にヴァン・ゲルダー・スタジオに寄り道し、録音。その音源が半世紀以上たって見つかってアルバムになったのだ。
『Nature Boy』ではコルトレーンのテナーサックスが淡々と歌い、『One Down, One Up』ではエルヴィンのドラムスが炸裂、タイナーのピアノもホット。これまで未発表の2曲では、カルテットの歯車が見事にかみ合ってエネルギー全開のインタープレイが聴かれる。『Untitled Original11383』では、なんと、1分以上にわたるギャリソンの、弓弾きによる、心真っ裸のベースソロ!(真)
Both Directions At Once (Impulse)/18€。別テイク入り2枚組もあり。
* yuhosha.com/apero/2134/