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日本やアジアの国々の食卓では馴染みの深い海藻。いっぽうフランスで食用として海藻が注目されるようになって、ようやく30年ほどだ。
特にブルターニュはそのメッカ。今では健康食品店やBioの店でなくとも地元スーパーマーケットでwakame、アオサの一種であるlaitue de mer(海のレタス)などを見かける。
食用ではないが、ブルターニュの海藻を語る時に欠かせないのが「goëmonゴエモン」。まるで日本語のような響きだが、れっきとしたブルターニュ・ゲール語だ。褐藻(かっそう)全般をさす言葉で、主に肥料として使われている。 一昔前までは、海辺でゴエモンを採取するゴエモニエと呼ばれる人たちがいた。あるいは子どもはお小遣い稼ぎに、採取した海藻を肥料加工工場に売りに行ったとか。80年代以降はブルターニュ全体でゴエモニエは60人以下となり、現在は機械を搭載した船で採取されている。また痩せた土地であるブルターニュでは、昔マットレスに使う干し草さえも乏しく、海辺に住む人々はゴエモンで代用していたという。
食品、肥料、美容、様々な方法で海からの贈り物を活用する人々。海と大地、その循環の中にわたしたちが生きていると言えるのかもしれない。(麻)
取材・文:仲野麻紀
