葉が明るい緑色で小さめのホウレンソウが八百屋に出回っている。やはり今が旬のヤギ乳チーズを入れてタルトを作ってみよう。まず、パット・ブリゼ pâte briséeというパイ生地を作って(825号のレシピ参照)2時間ほどねかせる。
ホウレンソウは、たっぷり加えたいので800グラムは買ってくる。柄をとり、しなびた葉をのぞき、大量の水でよく洗って水気を切っておく。できるだけ大きな鍋に水をたっぷりとり、塩を加え、沸騰してきたらホウレンソウを加える。木のへらでかき混ぜ、再沸騰したらホウレンソウを網じゃくしなどでとり出し、即座にたっぷりの冷水で冷ます。両手で押さえつけるようにして水気をしっかりと切り、みじん切り。
ヤギ乳チーズはクロタン・ド・シャヴィニョルを使うが、熟成が進んでいないものがいい。水平に四つくらいに切り分ける。
チェリートマトは、沸騰する熱湯に入れて10数えたらとり出し、皮をむき、二つに切り分ける。
ボウルに卵を3個とってほぐし、液状生クリームを混ぜ入れ、塩、コショウ。コショウは多めがうまいと思う。好みで、タイムの葉や、みじんに切ったアネットを適量加えてもいい。ここへホウレンソウを混ぜ入れる。
オーブンの目盛りを180度に合わせて点火。
パイ生地を厚さ3ミリほどに伸ばして、バターを塗っておいた型におさめ、底をフォークでまんべんなく刺し、ホウレンソウ、卵、生クリームのミックスを入れる。ヤギ乳チーズとチェリートマトを均等に並べ、おろしたエマンタルチーズを振って、熱くなっているオーブンへ。30分ちょっとで表面にきれいな焼き色がついたら完成。
熱々をとり分けて前菜にしてもいいし、たっぷりサラダを添えれば一食にもなってしまう。冷凍のホウレンソウやパイ生地を使えば、時間と手間が省けるけれど、味がかなり落ちるのは仕方がない。ワインは軽めの赤が合うだろう。(真)
4人分:ホウレンソウ800g、クロタン・ド・シャヴィニョル3個、おろしたエマンタルチーズ一つかみ、チェリートマト15個ほど、卵3個、液状生クリーム200cc、タイムやアネット(aneth/セリ科の1年草)の葉適量、塩、コショウ。
パイ生地:バター125g、小麦粉250g、塩二つまみ、水大さじ4、5杯。