16世紀のスペイン美術から、現代作家バルセロまで。
De Zurbarán à Rothko – Collection Alicia Koplowitz
ジャクマール・アンドレ美術館は、外国の個人コレクションで特別展を企画することが多い。スペインの女性実業家のコレクションを紹介した本展は、過去の展覧会とだいぶ違う。16世紀スペイン美術に始まり、現代作家のミゲル・バルセロまで、扱う時代もジャンルも幅広い。しかも、一点一点がそれだけで呼び物になりそうな傑作揃いだ。
フアン・パントーハ・デ・ラ・クルスによるスペイン貴族アナ・デ・ベラスコの肖像は、豪華な衣装の緻密な表現と表情の捉え方が素晴らしい。後姿の女性を描いたエゴン・シーレの水彩画はロダンの水彩かと見まがう。こんなシーレもあったのかと意外だ。その他、ゴッホのカーネーション、ゴーギャンのタヒチ風景、見る位置で顔が変わるピカソの女性、ふっくらした腕のモディリアーニの女性、ニコラ・ド・スタールの初期の抽象画、青と白と黄色のマーク・ロスコの大画面、リュシアン・フロイドの退廃した女性など。
個人コレクションなので、滅多に見られない。この機会を逃す手はない。(羽)
7月10日まで 無休
Musée Jacquemart-André
Adresse : 158 bd Haussmann, 75008 ParisURL : www.musee-jacquemart-andre.com/