現在のジャズ界で一番聴きたいトランペット奏者、そしてフリューゲルホーンを吹かせたらちょっと並ぶ者のないトム・ハレルがパリに戻ってくる。途切れることのない流れるようなフレージング、しなやかなタイム感、美しくあたたかい中音域、歌心あふれるメロディーライン…。今年で70歳のハレルだが、20代後半から、ホレス・シルヴァーやフィル・ウッズのバンドでビーバップの腕を磨き、80年代後半から自分のグループを作り、最近は室内楽団と共演したり、最新作『First impressions』では、ドビュッシーの曲をアレンジして表情豊かに演奏したり、と相変わらず意欲的で、頭が下がります。
今回のメンバーは、通好みのテナーサックス奏者ラルフ・モーアに、長年共演してきたベース奏者のウゴンナ・オケゴ、ドラマーのアダム・クルーズというリズムセクションからなるカルテット。力強いハードバップから印象派的な色合いのバラードまで、ハレルの世界にたっぷり酔うことができるだろう。(真)11日 21h。30€。
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