9月23日に、年金制度改革への抗議スト。公共交通機関に大きな影響が出た。デモには300万人(警察発表で100万人)が参加。労組は10月2日、12日にストやデモを予定。
9月24日付リベラシオン紙。
見出しは「デモ、中止あるいは継続」
●ロマ人強制送還問題で政界揺れる
違法キャンプ排除に関する全県知事に宛てた8月5日付内務省通達に「とくにロマ人のキャンプ」と書かれてあることがフランス各紙で取り上げられ、問題になっている。9月13日、ベッソン移民相がこの通達のことを知らなかったと発言する一方で、オルトフ内相はロマ人を特定しない新通達を13日に出した。これを受け、欧州委員会のルディング法務委員やバローゾ欧州委員長がフランス政府を激しく批判し、16日の欧州首脳会談の場で、サルコジ大統領とバローゾ委員長がこの問題で激しいやり取りを交わした。大統領は記者会見で「フランスを侮辱するのは許さない」とコメントした。
●顔を隠すスカーフ禁止法、最終成立
上院は9月14日、ブルカなど顔を隠すスカーフをすべての公共の場で着用することを禁止する法案を可決し、法案は最終的に成立。違反者には150ユーロの罰金、この種のスカーフ着用を強要した者には最高で禁固1年、3万ユーロの罰金。同法は憲法評議会に付され、施行後6カ月してから実効性を持つ。また、国会は15日、学校をさぼる子の家庭に対し、家族手当の支給を停止する条項を含む法案を採択し、最終成立させた。これは、子のさぼりを放置する親を罰するべきというサルコジ大統領の意向を反映したもの。野党や教員組合は「大衆受けをねらった過激な措置」として反対していた。
●年金制度改革法案、国民議会で可決
国民議会は9月15日、年金制度改革法案を賛成329票、反対233票で可決。定年退職年齢の60歳から62歳への引き上げ、満額支給年齢の65歳から67歳への引き上げなど大筋は政府案通り。しかし、苦痛度の高い職業に就いた人が60歳で退職できる条件を、労働不能度20%から10%に引き下げることでは、サルコジ大統領の約束通り政府が譲歩。上院審議では、育児休暇のために保険料支払期間が短い女性の満額支給年齢の65歳維持など多少の緩和が予想される。上院採決後、両院合同委員会が開かれ、最終成立は10月末の予定。
●ニジェールでフランス人5人、誘拐される
9月16日未明、ニジェール北部アーリットでフランス人5人、トーゴ人、マダガスカル人の7人が武装集団に誘拐された。この7人は、同地のウラン鉱山を開発する仏原子力アレヴァ社と建設ソジェア・サトム社の従業員とその家族。21日になって、「イスラム・マグレブのアルカイダ(AQMI)」が衛星TVアル・ジャジーラを通じて犯行声明を出した。仏アレヴァ社に、ニジェール当局が誘拐の危険性を9月初めに通知していたことがわかり、安全対策が不十分だったとの批判も。7人は隣国マリ北部の砂漠地帯に拘束され生存しているとの情報が確認された(26日現在)。
●銀行手数料を明瞭に、政府が指導
ラガルド経済相は9月21日、銀行の各種手数料を明瞭にし、銀行間で競争を促して手数料値下げを促進する行政指導を行うとした。まず、2011年1月に用語を統一した手数料料金表を全銀行が出す。また6月30日からは顧客に送る毎月の口座明細書に各種手数料の合計金額を明記することが義務に。さらに、口座残高を超える小切手発行などに対する徴収手数料の上限が設けられる。銀行の不明瞭な手数料制度は消費者団体から再三、改善の要請を受けており、欧州委員会も2009年9月の報告書でフランスの銀行を批判していた。
●ヴァール県で、チクングンヤ熱2例
ヴァール県庁は9月26日、フレジュスでチクングンヤ熱の2人目の本土感染患者が出たと公表した。1例目と同じく12歳の少女で、チクングンヤ熱が多く発症する亜熱帯、熱帯地域に旅行しておらず、フランス本土で感染した第2例目。この病気は高熱と関節の痛みをともなうヒトスジシマカなどが媒介する伝染病。プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方では、すでに東南アジア旅行者4人の感染が確認されている。この病気は人から人には感染しないため、感染者を刺した蚊に刺されてウイルスに感染したとみられている。