Colombo de porc antillais
季節に関係なく、わが家では食卓によくカレーが登場する。2年前にはインド風子羊肉のカレーを書いたけれど、今回はカリブ海に浮かぶアンチーユ諸島のカレーで、暑さを忘れましょう。インドには宗教の関係で牛肉や豚肉のカレーはないけれど、アンチーユ諸島では豚肉のカレーが人気。一度グアドループ出身の友人の家でヤギ肉のカレーを味わったことがあるけれど、これもおいしかった。彼らはカレーを「コロンボ」と呼んでいるが、カリブ海まで商売をしにやって来たインド人やスリランカ人が、広めたものだからだ。
島出身の人たちは、彼らの食料品店でそれぞれ好みのコロンボの粉を買うけれど、マドラス産などのカレー粉と香りはそれほど変わらない。ただコロンボ粉の方が辛みが柔らかいので、ふつうのカレー粉を使う時は控えめにしないとカリブ風にならない。そのかわり黒コショウは多めに挽き入れたい。
豚肉は適度に脂が混じった背肉échineがいい。1キロ買って、肉屋に骨を外してくれるように頼む。これを一口大に角切りにする。タマネギは薄くせん切りにする。トマトは湯むきしてからざくざくとみじんに切る。ショウガとニンニクはおろしておく。
ココットのような厚鍋にオリーブ油を大さじ4杯ほど加え中火にかける。油が熱くなったら肉を加え、表面にまんべんなく焼き色がつくまで炒めていく。ここでタマネギを加え、よく混ぜ合わせながら軽く焼き色がつくまで炒める。次におろしておいたニンニクとショウガを加え、しばらく炒めたらトマトを入れる。塩、コショウし、全体を混ぜ合わせながらもう少々炒めたら、カレー粉を控えめに混ぜ入れる。水をひたひたに注ぎ、ローリエの葉、シナモン、それに丁字のつぼみのところだけを指でもみながら加える。沸騰したら火を弱くし、ふたをして1時間ほど煮込んでいく。最後に、塩味を調える。もちろん、ごはんを添えるのだが、辛みが足りない人のことを考え、タバスコソースも添えましょう。(真)
4人前:豚の背肉800グラム、タマネギ2個、トマト5個、ショウガ一かけ、ニンニク6片、カレー粉、ローリエの葉1枚、シナモン1本、丁字二つ、塩、コショウ