日本人より歯磨きの回数が少ないと思われるフランス人なのに、口臭を感じさせる人があまりいないことに、最近、ふと気がついた。空気が日本より乾燥していて湿度が高くないから全体的に匂いは抑えられているのだろうか。そんな疑問を抱きながら、パーティ好きなフランス人の友人たちに、お酒やタバコをたくさん飲んだ後の口臭気配りはどうしているのかと聞いてみた。するとアルコールのニオイは気にならないが、パーティの最後には、一応フルーツ風味の軽いアルコール飲料やジュースを飲んだり、タバコをすった後にガムをかんだりするのだそうだ。思春期のころからガム、フロスはカバンの中の大切な必需品の一つだけれど、爪楊枝は使わないという。爪楊枝は、オリーブの実を突っついたりするようにアペリティフで使うもので、歯の間に挟まったものを取り除いて口臭を抑えることとはあまり関係がないという。
そんな彼らは、顔を突き合わせて何の気兼ねなく自由にぺチャクチ ャワイワイ話をする。たとえニンニクを食べた後でも自分の口臭など気にせず 、顔の表情がよく見えるようにか、口を手で覆ったりしない。その代わり互いに顔にツバを飛ばし合っていることもしばしばだ。日本人をどう思う、と彼らに聞いてみた。日本人は、笑う時、時には話をしている間でも口に手をあてる人がかなりいるけれど、いったん口の中に食べ物を入れると、フランス人のように手もあてずにそのまま食べ物のニオイをさせながら話している、という返事が返ってきた。
最近はフランス人も日本人も、口腔内のバクテリア予防のうがい薬を利用するなど、口臭に対する意識が高まってきているようだ。口臭予防にコーヒー豆をかじったりするのはフランスならでは。理由は、口臭は愛情にある意味の刺激をもたらすからだそう!(有)