前菜とメイン、もしくはメインとデザートで13e、前菜からデザートまで食べても16€というこのビストロ(627号 “Balade” 欄で紹介)。モンパルナス界隈に軒を並べる老舗カフェのそばにあって、この価格設定は良心的。友人と12時ぴったりに待ち合わせたところ、店内にはすでに二組の先客が。隣のテーブルでは、ぱりっとしたジャケットをまとったおじいさんが、慣れた様子でお昼の定食を頼んでいる。
前菜にはセロリのサラダと自家製の豚のリエット、メインにはヒメジのフェンネル添え(+1€)を。友人は妊娠中なので、私だけグラスワインを注文。素早いサービスがみごとなヴェロニックさんにすすめられて、ロワール産のさわやかな白ワイン、シュベルニー(3.6€)をいただくことに。
早速運ばれてきたセロリのサラダは、まずその美しさにため息。セロリの千切りをマスタード入りのマヨネーズであえた簡単な一品だけれど、そのまわりにベトラーヴのソースが添えてあり、黄色と紫の対比が目に鮮やか。セロリの上にはぱらぱらとシブレットがかかっている。豪快に盛られた自家製リエットは意外とあっさり。塩味が控えめなせいか、するりと胃におさまった。
メインのヒメジの皿からは、一瞬、魚のスープのような香りが。フェンネルの上にのった白身の魚には角切りトマトとバジリコ。ひとくち口にいれると、しっかりしまった身に丁寧に用意された野菜の味がしみ、なんともいえないおいしさ。皮がしっかり焼いてあり、ぱりぱりする歯ざわりもうれしい。ヒメジの肝を使っているというオレンジ色のソースも味わい深く、海の幸をいただいた満足感に包まれる。
最後には、オレンジピール付きのパンナコッタとリンゴのクランブルを。程よい甘さ。前菜からデザートまで無理なく楽しめるくらいのボリューム感は、日本人女性にはちょうど良いかも?(さ)
Wadja
Adresse : 10 rue de la Grande Chaumière, 75006 Paris , FranceTEL : 01.4633.0202
アクセス : M° Vavin
土昼日休。