バルザック料理帖を書いているさやかさんが、モントルグイユ通りにある、バルザックが愛したというレストランでお昼ごはんはいかが、と声をかけてくれた。店の名前にカキの名産地「Cancale」とあるのだから、前菜にバルザックが100個も平らげたというカキを、と思っていたが、「カキは夜だけなんです。カンカル産のカキで、1ダースで13€です」と店の人。ザンネ~ン。カキはいつか出直すしかない、とあきらめてメニューを眺めたが、あんまりブルターニュっぽい料理もない、とまたちょっとガッカリしながらも、一応海の幸だからと、ステーキや各種ミックスサラダを避けて(なんとクスクスもあった!)、ボクはイカの南仏風ソテー(14€)、さやかさんはサケのバターソース(14.9€)をとった。ワインは南フランス産の赤を1/2ピシェ(12€)で。
ところが、ところが、ちょっと大丈夫かな、と心配していたイカのソテーが、軽くニンニクやパセリの風味をきかせたオリーブ油で炒めただけのあっさり味で、イカがとても柔らかくて感心してしまったのだ。サヤインゲンだって上手にゆで上げてあり、やはり上品にニンニクの香りがついている。サケの方は、ボクのちょっと苦手なこってりとしたソースがたっぷりとかかっていたが、さやかさんは、ライスと混ぜ混ぜしながらおいしそうに食べている。赤ワインもまろやかだ。デザートにクレーム・ブリュレ(5.5€)を、二人で一つとったけれど、これも表面の焦がし加減が、時々出くわすような真っ黒ガリガリではなく、キツネ色カリッで合格点。
食事の後は「2階にバルザック当時の壁画が残っているのよ」ということで見学。ガラスで保護された壁画の傷み具合に時代の流れを感じることができた。今流行のモントルグイユ通りで簡単に食事という時には、ぜひ試してみてください。(真)
Au Rocher de Cancale
Adresse : 78 rue Montorgueil, 75002 Paris , FranceTEL : 01.4235.5029
アクセス : M° Sentier
無休。