●ラルザックに20万人 8月9日と10日、中央山塊地方のラルザックで、経済グローバル化に反対する集会が開かれた。予想をはるかに上回る20万人以上が集まり、大国と大企業の利益のみを追い、南北の貧富の格差拡大や環境破壊につながるグローバリゼーションに抗議。保釈されたばかりの農民連合リーダー、ジョゼ・ボヴェさんに大きな拍手がわいた。 ●猛暑でラクダ死す 8月13日、猛暑が続く中、アルザス地方巡業中のサーカス団のラクダ1頭が脱水症状で死亡。長い間水を飲まされていなかったことが原因とみられている。 ●猛暑でカシの木死す 「etre solide comme un chene カシの木のように丈夫な」という表現があるけれど、猛暑のため、ヴェルサイユ宮殿の庭にあるマリー・アントワネット植樹のカシの木が枯死。2週間で数千m3の水を与えてきた庭師たちの努力は実らなかった。 ●世界陸上選手権でフランス大活躍 8月23日から31日まで、パリ郊外、サン・ドニ市のスタッド・ド・フランスで第9回陸上世界選手権が開催された。フランスチームは、9日間で54万人という観客の期待に応えた。女子勢の活躍は華々しく、400メートルリレーで米国チームを破って金メダルを獲得しただけでなく、ユニス・バルベル選手が女子走り幅跳びで金メダル、七種競技で銀メダルと両手に花。マニュエラ・モントブラン選手はハンマー投げで銅メダル。男子勢も、1600メートルリレーで銀メダル、メディ・バラ選手が男子1500メートルで銀メダル、マルク・ラキル選手が400メートルで銅メダル、と男女合わせて計7個のメダルで世界第5位という、世界陸上選手権始まって以来の好成績を上げた。ドーピング(禁止薬物使用)の取り締まりが強化されたためか、世界記録はゼロ。 ●ラグビー、仏英の対戦 10月にオーストラリアでラグビー世界選手権が開催される。それを控えて8月30日と9月6日、現在最強とされる英国チームとフランスチームがテストマッチ。初戦は接戦の末、 フランスが17-16で押し切るという快挙。ところが、第2戦は、英国が鋭く変化に溢れた攻撃を見せ、5トライを決め45-14と圧勝。 ●山火事で消防士3人焼死 ヴァール県のモール山塊では、この夏山火事が相次ぎ、すでに22000ヘクタールが灰になった。8月31日、新たにアルノー谷付近で出火。9月1日夜、消火活動にあたっていた消防士3人の車が火炎に囲まれて炎上し、3人とも焼死。この火事も放火の疑いが強い。 ●失業増加、経済成長マイナス、減税 4月、5月と平行線をたどっていた失業率が、6月は失業者が2万5900人増え、一挙に1.1%アップし、現在の失業者数は労働力人口の9.5%にあたる240万4200人。 4月から6月にかけての経済成長率は—0.3%となり、政府が掲げていた2003年度の目標+1.3%は難しくなってきた。昨年の3%減税で期待された国内需要も2003年上半期は—0.2%。 こうした厳しい経済状況にもかかわらず、昨年の大統領選で、5年間で30%の減税を公約していたシラク大統領の強い要請もあり、9月2日、ラファラン首相は2004年度も3%減税、と発表した。この減税を実施すると、財政赤字は国内総生産の4%に達する見込みで、EUが定めている3%以下という赤字許容値を大幅に上回ることになる。 |