OVNI 525 : 2003/7/1 N° 525 2003-07-01 ●フランス経済は下向き INSEE(国立統計経済研究所)は、2003年度の経済成長率は大蔵省が見込んでいた1.3%を下回る0.8%、と発表した。失業率は2003年末には9.6%に達し、税収入も51億ユーロ減で、政府は頭が痛い。 ●エアバス好調 6月中旬、パリ北郊外にあるル・ブールジェ空港で航空ショーが開催された。期間中、エアバス・インダストリー社には、カタール・エアウェーズ社他から64機の受注(総額180億ドル)があり、わずか9機のボーイング社を寄せつけなかった。そのうちの26機は、2006年からの巡航が予定されている総2階建て構造の超大型機A380。A380のこれまでの受注数は129機になり、採算がとれるのに必要な250機の半数に達したことになる。 ●ル・マン24時間レース 世界でもっとも有名なスポーツカー・レース〈ル・マン24時間レース〉が、今年も、夏至直前の週末にあたる6月14日と15日、ル・マン市郊外にある13.6kmのサーキットで開催された。1930年に5度目のチャンピオンになって以来、レースから遠ざかっていたベントレーの2台が、1位、2位を独占した。 ●パリの中華街、SARSで客足遠のく SARS(重症急性呼吸症候群)の影響でパリ13区の中華街にある食料品店やレストランは、5月から6月にかけて客足が遠のき30~50%の収入減になった。6月17日、パリのベルトラン・ドラノエ市長は、駐仏中国大使などと13区の中華レストランで会食。「中華街で買い物したり、食事したりすることをまだためらっている人がいるとしたら、間違いだ」と語り、来年の中国のお正月をシャンゼリゼ大通りで盛大に祝したいと約束した。 ●トリシェ仏中央銀行総裁無罪 クレディ・リヨネ銀行の不正経理に関与したという容疑で訴えられていたジャン=クロード・トリシェ仏中央銀行総裁に対し、6月18日、パリの軽罪裁判所は、無罪の判決。これで同総裁の欧州中央銀行次期総裁への道が開かれた。 ●〈ムジャヒディン・ハルク〉一斉検挙 6月17日早朝、1300人の機動隊や特別介入部隊が出動し、ヴァル・ドワーズ県オーヴェール・シュル・オワーズ市などにある、イランの反政府組織〈ムジャヒディン・ハルク〉の拠点と見られる13カ所の建物を一斉に家宅捜査。同組織のリーダー、マリアム・ラジャビさんなど165人を検挙。内務省によれば、同組織は在仏イラン公館へのテロを準備中だったという。学生などを中心にした反政府デモに苦しんでいるテヘラン政権への贈り物だ、という批判も上がっている。翌日、パリ7区にあるD.S.T.(国土監視局)前で、前日の一斉検挙に抗議して、〈ムジャヒディン・ハルク〉に属すると思われる3人(女性2人、男性1人)が焼身自殺を図った。直ちに病院に収容されたが、そのうちの一人は19日に死亡。 ●ジョゼ・ボヴェ、2度目の服役 農民連合のリーダー、ジョゼ・ボヴェは、実験用の遺伝子組み替えイネやトウモロコシを破壊した罪で、合わせて禁固14カ月の判決を受けていた。6月22日6時ごろ、アヴェロン県ポタンサックにあるボヴェ宅に、防弾チョッキで身を固めた憲兵隊がヘリコプターで飛来し、ボヴェをヴィルヌーヴ・レ・マグロンヌ刑務所に連行した。同日午後、農民連合や緑の党などの300人が司法省前で集会を開き、この大がかりな連行作戦に対して抗議し、大統領の恩赦を要求した。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。