●フランス人優先条例は違法 1998年1月ヴィトロル市議会が、片親がフランス人あるいはEUに属する国の国籍を有する家庭に、一律5000Fの出産奨励金を出すと決めたことに関して、11月8日、エクス・アン・プロヴァンス軽罪裁判所は、右翼国民戦線党のカトリーヌ・メグレ市長とユベール・ファイヤール助役に、執行猶予つき禁固3カ月、罰金10万F、2年間立候補権剥奪の判決を下した。両者は直ちに控訴。 ●パリ市の人口 INSEE (国立統計経済研究所) の発表によると、1999年3月8日現在でパリ市の人口は2 125 800人。10年間で26 500人減ったことになるが、新たにパリ市に住むことになった631 000人のうち半数以上が25歳から39歳の間で、パリ市民は若返っているとのこと。イル・ド・フランス地方の人口は291 000人増で、10 951 000人。 ●シャバン=デルマス元首相死す 11月10日、シャバン=デルマス元首相がパリ市の自宅で心臓マヒのため亡くなった。85歳。第2 次世界大戦中レジスタンスのリーダーとして闘い、パリ解放に貢献 (ルネ・クレマン監督の『パリは燃えているか』では、アラン・ドロンがこの若き将軍を演じた)。1947年から1995年までの48年間、ボルドー市長を務める。1969年にはポンピドゥ大統領の下で首相に就任。保守ドゴール主義の旗頭の一人として政界に幅をきかせてきた。 ●青、黒を破る 昨年のラグビー・ワールドカップ準決勝で、フランスがニュージーランドのオール・ブラックスを破って大きな話題になったが、11月11日、スタッド・ド・フランスで行われたフランス対ニュージーランド親善試合では、オール・ブラックスがレ・ブルーを39-26で破って雪辱。ところが、18日マルセイユでの第2戦は、両チームが3トライをあげる大接戦となり、レ・ブルーが42-33で勝利。フランス・ラグビー強し! を印象づけた。 ●フランス人は幸せと思っている 昨年、フランス人1821人を対象にした調査で、10人のうち9人が現在の生活に満足していることがわかった。とはいうものの17 %が付き合いたくない隣人がいると答えている (81年には5%)。カップルに対する考え方も大きく変化していて、離婚に反対する人は7% (81年には13%)、同性愛カップルに反対する人は21% (81年には45%)。 ●司法援助が安すぎる お金がない人にも無料で弁護士がつくことができるようにと、1991年から実施されているAide juridictionnelle (司法援助) だが、国が弁護士に支払う額があまりにも少なすぎる (1時間当たり288F) とし、 その倍増を要求してマルセイユ市、リール市、ナンテール市などの弁護士会が数日間ストライキ。各地で裁判が繰り延べになった。11月23日、弁護士会連盟とマリリーズ・ルブランシュ新司法相との間で交渉が行われたが、司法相は司法援助制度の根本的な改善を図りたいと提案したものの、増額は予算がないので不可能、と冷たい返事。 ●歌は平和のため イスラエル治安部隊とパレスチナ人の衝突がエスカレートし、パレスチナ人だけで300人以上の死者を出しているが、その余波はフランスにまで及び、イスラエル支援あるいはパレスチナ支援のデモが行われている。10月10日、パリでのイスラエル支援デモに参加した歌手エンリコ・マシアスさんのコンサートをボイコットしようと、ノール県ルーベ市の「パレスチナ人の友の会」が呼びかけた。とはいうもの11月26 日のコンサートは満員。マシアスさんは「私のバックのミュージシャンはみんな回教徒だし、音楽は平和のための手段」と訴えた。 |